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転生したら最強勇者になったが、住民の方が優秀だった件 その23

「ばぁ」

 タマーリンのタマーリンの身体に隠れていたミケラが姿を現す。

「クロ、大きくなって凄かった。とっても大きくなって私びっくりした」

 ミケラが屈託なく笑う。

「本当に、わたくしも驚きましたわ」

 タマーリンもミケラに合わせて笑う。

 その顔はまさに天使、普段のタマーリンを知る者には信じられない光景であった。

「クロ凄い、クロ凄い」

 叫びながらミケラはクロの周りをぴょんぴょん跳ね回る。

「お、お姫様・・・」

 クロが何かを堪えるようにワナワナと震え出す。

「・・・僕と結婚して・・・」

 しかし、堪えきれずにクロがミケラに飛びかかろうと瞬間、チャトーミがミケラを抱いて走り去り、続けてチャトーラのラリアットがクロの首を捉えた。

「ぶひゃぁぁぁぁぁ」

 クロの身体が矢のように宙を飛び、地面に叩き付けられ何度か地面を跳ねた後、そのまま数メートル地面を転がる。

 止まったところに、

「パラライズ」

 とタマーリンのパラライズが飛んだ。

「あひゃあひゃあひゃ」

 パラライズを受けてクロはのたうち回る。

 展開を予想していたチャトーミは既にミケラの目と耳を塞いでいた。

「あ、あの、そんな事して怖くないんですか?」

 武茶志は引きつった笑顔を浮かべながら恐る恐る聞く。

「えっ、何が?」

 チャトーラが不思議そうな顔をする。

「何がって、今の見たでしょ?神龍ですよ、あんなに巨大になったばかりなのに・・・それをポンポン頭を叩いたりして」

 言われてチャトーラは「う~ん」と考えて、

「大丈夫、大丈夫、クロだから」

 とパタパタと手を振る。

「そうだよね、クロだもん」

「そうですわね、クロですもの」

「はい、僕クロですから」

 さっきまでのたうち回っていたクロが何事もなかったように話に加わってくる。

「ほら、こういう奴だから気にすんな」

「そうそう、深く考えたら負けです」

 チャトーラとクロが肩を組んでがははと笑う。

 なんと言っていいか判らないという表情で目の前の現実を武茶志は見た。

 そして、考えすぎた自分がなんだか馬鹿馬鹿しくなってしまう。

「そうですね、クロですからね」

「おっ、判るようになった来たな」

 チャトーラがにかっと笑う。

「そうそう、それでいいんだよ」

 チャトーミがくるくる踊りながら笑う。

「はい」

 武茶志は元気よく返事をする。

「はいはい、まだ競技は終わってません事よ」

 タマーリンが手を叩く。

「武茶志、クロ。準備なさい」

「はい」

「はいはい」

 武茶志とクロが走って競技の場所に行く。

「準備は良いみたいですわね」

「それでは始め」

 タマーリンのストールが再び振られた。 


(Copyright2022-© 入沙界 南兎)

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