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ケットシー物語 トラスロット奔(はし)る 21

「ミケラ様~~!」

「ミケラ様~~!」

「ミケラ様~~!」

 これも観客に大受けとなり、観客席のあちこちからミケラの名を呼ぶ声が上がり大騒ぎとなる。



 ミケラが無事に舞台に降り立つと、

「ミケラ、みんなに手を振ろうね」

 とタマンサが舞台の前の方にミケラを連れていって、二人で観客に手を振る。

「ミケラ様~~!」

「ミケラ様~~!」

「ミケラ様~~!」

 観客から盛大な拍手と歓声を貰う。

 大成功だ。



 その頃、舞台の隅、明かりが射さない暗がりに、魂が口から半分抜けかけた人影が二つ転がっていた。

 マオとキティーである。

 舞台から、ここまで移動してきて完全に力尽きたようだ。



「おい、生きてるか?」

「大丈夫か?」

 声をかけても返事がないので、クッロウエルと無茶士が二人を抱え上げると、舞台の裏手へと連れて行く。



 舞台の幕が下ろされる。

「ありがとうございました」

 幕の前でタマンサが頭を下げる。

「次はわたしの歌です、準備に少しかかりますがしばしお待ちください」

 もう一度頭を下げると、手を振りながら舞台に引っ込む。



 その後からチャトーラが幕の前に出て来た。

「舞台の準備が出来るまで、ちょっとした余興をやるぜ」

 マイクを持ったチャトーラの声が広場に響き渡る。

「チャトーラ、余興って何やるんだ」

「何を見せてくれるの?」

 あちこちからから声が飛ぶ。



「まあまあ、慌てなさんな。これから説明すっからよ」

 それから後ろを向くと、

「おまっとさん、来てくんな」

 チャトーラの声で幕の両側から人がやってくる。

 片方からは、レッドベル、チャトーミ、黒妙、サクラーノが、反対側からは体格の良いケットシーが数名と、大きく厚いマットレスを抱えたケットシーが数名。

「サクラーノがいる時点で、何やるかは大方予想が付くだろ?」

 サクラーノとチャトーミは足自慢なのは街のみんなが知っている。

 対する男達には厚手のマットレス。

「ああ、なるほど」

 みんなが察した。



「そう、みんな思った通り、全力で走ってあのマットレスに突っ込むんだ」

 仰々しくチャトーラが叫ぶ。

「果たしてこいつらがどこまで耐えられるか」

 男達の中から一人が前へ出てきて、

「任せてください、我が魔法道具研究所が総力を挙げて作った、対サクラーノ専用マットレス。このマットレスでサクラーノは止めて見せます」



 対サクラーノ専用マットレスにざわめく会場。

「対サクラーノ専用マットレスですって」

「あいつら本気だ」

「そこまでやるか普通?」



「あの、あの鬼ごっこの時の屈辱は忘れない!だよな!」

 男が振り向き、仲間に活を入れる。

 彼らは、鬼ごっこの時にミケラを助けに来たサクラーノに吹き飛ばされた男達だった。

「雪辱を晴らすぞ!」

「お~~っ!」

「サクラーノを止めるぞ!」

「お~~っ!」

 暑苦しく雄叫びを上げる魔道研の面々。



「負けるな魔道研!」

「お前らの骨は拾ってやるぞ!」

「サクラーノも頑張れ!」

 観客から魔道研とサクラーノに声援が飛ぶ。


後書きです


ゼルダ、今、最後の女神の開放少し手前。

ダンジョンのギミックの攻略に手こずってるんだけど、今、攻略を思いついた(笑)

ストレートにストーリー追うだけならかなりあっさり終わるかも。

あれこれとサブクエを楽しみながらのんびり進めてます。

踊り子の服は取れる気しないけど。

来週にはクリアー報告したいです。


ではまた来週(@^^)/~~~


                       (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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