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ケットシー物語 トラスロット奔(はし)る 18

「そろそろ出番だから、ミケラこっちに来て」

 タマンサがミケラを呼ぶ。

「はーい」

 宿で着たステージ衣装をより少し派手になった衣装を着て、ミケラがトコトコ走って来るとタマンサの横に立つ。

「今回は、お花の用意が出来なかったからこれを蒔いてね」

「うん」

 紙吹雪の入ったカゴを渡される。

「それからカゴは三つ用意したから、無くなったら取りに戻る事」

「げっ」

 カゴが三つと聞いてマオの顔が青ざめる。

「聞いておらんぞ、一つでも大だったのじゃ・・・み、み、三つなど無理じゃぁぁぁぁ」

 マオが悲鳴を上げる。

「そこでキティーの出番よ」

 キティーに振られる。

「頑張ってねキティー」

 モモエルがキティーの肩をがっしりと掴む。

「も、モモエル様・・・無・・・」

「頑張ってね」

 キティーの言葉が終わる前に掴んでいる肩の手に力が込められた。

「はい、頑張ります」

 逃げられないと悟り、キティーはがっくりとうなだれて返事をした。



「さあ行くわよ、みんな配置に着いて」

 タマンサのかけ声と共に、ステージ要員が一斉に動き出す。

 ギリ、キマシ、レッドベルもそれぞれの場所で待機し、マオは翼を広げ、ステージの上にある梁へと向かう。



 ミケラを連れてタマンサがステージの真ん中まで行くと、合図をする。

「これから、ミケラ様のステージが始まり」

 マイクを使ったアナウンスが広場に響いた後、ステージの幕が上がった。

「皆様、ミケラのステージのためにお集まり頂き、ありがとうございます」

「ございます」

 タマンサは馴れた感じで観客に頭を下げ、ミケラも遅れて頭を下げた。



「ちょっと待った!」

 挨拶が終わると同時に、広場に甲高い子供の声が響く。

「わはははははははは」

 笑いながらマオはステージの上の梁から飛び降り、翼を広げ黒いマントで身を覆いながらゆっくりと下へ降りていく。

 その姿を照明が追っていき、マオの降下に合わせて、マイクを吊り下げた一つ目ちゃんが、照明に入らないように降りていく。

 地上へ降りると同時に翼を引っ込め、マントの下で衣装の形に変えると、一気にマントを跳ね上げた。

「黒い翼に恐怖を乗せて、闇の力を撒き散らさん 魔王マオ ここに降臨」

 出来る限り低く大きな声で叫んでから、

「会場の者どもよ、予の闇の力に震えおののくが良い」

 マントで身体を覆い直すと、翼を広げてから、翼を分解して六個の円盤に分割すると、一つをミケラの足の下に飛ばし残りは広場に向かって飛ばす。

 飛び回る闇の円盤達。

 それを見上げる観客。



「で、でたわにゅえ、マオち・・・魔王、わたしゅが闇の・・・」

 そこで困ったようにタマンサの顔を見上げるミケラ。

 台詞を忘れたようだ。

「ミケラちゃん、こっち、こっち見て」

 客席の方からカンペを持ったキマシがミケラの名を呼ぶ。



「ミケラ様頑張って」

「しっかり」

「ゆっくりと慌てないで」

 客席からも応援の声が飛ぶ。

「えっと・・・わ、わたしが闇の力を・・・はらてやりゅ」

 カンペの助けを受け、何度も噛んだがなんとか台詞を言い終り、ミケラはタマンサの方を見上げた。

 タマンサが小さく頷くのを見てから、ミケラの姿がマオの作った闇の円盤の中へと沈む。


後書きです


今、ゼルダの伝説にはまっています。

今回はリンクではなくてゼルダ姫が主人公。

戦闘手段は基本無いので、モンスターとは倒したモンスターをコピーしたものを再生させて倒してもらうか、石を投げ戦うことになります。

この戦い一つとっても、コストの安いモンスターを複数出して戦うか、コストの高いモンスター単体で戦うかはその場の気分で決められます。


ダンジョンの攻略もパズルになっている部分を途中で使えと言わんばかりのオブジェクトを使わないで、別にコピーしたものを駆使して攻略できたりするんですよね。

遊び方の自由度が高いけど、頭の柔軟性は求められるかな。

ここでこんなこと出来るかなとやってみたら出来て、あっさりパズルが解けてしまうこともあるし。

新しいカリモノ、新しい景色を求めて歩き回るのが楽しくて仕方ないです。


また来週(@^^)/~~~


                        (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))



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