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ケットシー物語 トラスロット奔(はし)る 3

「タマンサがそこまで太鼓判を押すなら、楽しみだわね」

 お妃様も興味を持った。

「それとこのへたれ娘の歌も久しぶりに聞きたいわね、有るかしら?」

「誰がへたれよ、誰が」

 タマンサが頬を膨らませるが、

「自分一人じゃ、怖くて自分の親にも会えないのをへたれ以外のなんて呼べばいいのかしら」

「う、うるさいわねくそ婆」

 お妃様とタマンサの間にバチバチと火花が飛び交う。



「タマンサさんの歌ですか・・・一曲目と三曲目は長いですが、二曲目なら大丈夫です」

 一曲目と三曲目は戯曲なのでそれなりに長いのだ。

「長いって、何を歌ったの?」

「わたしが作ったあれとミサケーノの伝説よ」

 タマンサの言葉に、お妃様の目がピキーンと光った。

「モモエル、その映像、わたしの部屋でも見られるようにして頂戴」

 有無を言わせぬ命令だ。

「出来ますけど・・・予算が・・・そ、それに色々と」

 言葉を濁し渋るモモエル。

 魔法投影機や撮影機は本来は国家機密レベルのモノなのだ。

 現場で運用してそのデータを取るために砦に運び込んだりはしたが、個人で持って良いモノではない。

 お祭り騒ぎの広場に櫓を組んでその上に鎮座しているので、そこは強く言えないモモエルだったが。

「なんなら、来年の魔法道具研究所の予算増やして上げてもいいわよ」

「はい、喜んで」

 あっさりてのひらを返した。



「わたくしも屋敷でミケラ様の雄志を見たいですわ、モモエル」

 タマーリンの目がランランと輝いてモモエルに迫る。

 そんなタマーリンに、モモエルは耳打ちする。

「あなたの分は用意してあります、後で持っていきますね」

 その言葉に、

「よしっ」

 と見えないようにガッツポーズをするタマーリン。

「聞こえてるわよモモエル」

 お妃様の言葉にギクッとして、

「いえ、あの、その」

 あたふたするモモエル。

 やっぱりねという表情をするお妃様を見て、引っかけられたのにようやく気がつく。

「いくらわたしが地獄耳でも、耳打ちしている声が聞こえるわけないじゃない」

 うふふと笑う。

「どうせタマンサの所にもやるんでしょ?」

 えへっと笑って、頷くモモエルであった。

 


「それで、この後はどう言う予定なのかしら?」

「はい、一応街のみんなで俺を讃えようという事になっているので、その時にミケラ姫には俺の横にいて貰えればいいです」

 武茶士がざっと流れを説明する。

 前世ではプレゼンは得意ではなかったが、それなりに経験はあるのでこの場を引き受けたのだ。

「その後、わたくしが武茶士がどう活躍したか説明致します」

 タマーリンは実際に現場にいて、武茶士の活躍を見ていたのでタマーリン以上の適任者はいないのだ。

「それじゃあミケラは関係ないじゃないの?あの子を巻き込むのは止めて欲しいな」

 タマンサが言うと、

「それがなんて言うか、さっきも説明したと思うんですが、その場のノリでミケラ姫もという事になって。街の人も乗り気で止めるに止められないというか・・・」

 お祭り気分で高揚した所に、ノリと勢いで話が決まってしまったのだ。

 猫の多頭飼いをしていると、一匹走り出すと夜の大運動会が始まってしまうあれと同じノリである。

 ケットシーは猫の妖精なのであり、根っこの部分は猫に近いのだった。


後書きです


やっと本編再開です。

作者自身がミケラ分不足で苦しかったです(笑)


今後の予定ですが、三周年記念短編の後になると思いますが、一話から全面的に書き直す予定です。

本編に出ていない隠し設定とか入れていこうと思うので、それを入れるとあちこちに問題が出てしまうので全面的な直しが必要に。

結構、誤字脱字、設定の矛盾とかも出てきたのでその直しもしたいなと。

頭を小説脳に切り替えないと追いつかないかもですけど。


ではまた来週(@^^)/~~~


                     (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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