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外伝1「さすらいの勇者1ー141」

「勝ちましたわ、うふふふふ」

 タマーリンは勝利の笑みを浮かべる。

 魔法であの黒いもやを削れるなら、削りきってしまえばいい。

 谷を、溶岩の海にしてしまう程の魔力量を持つタマーリンならば、容易な事だ。

 その為に、風魔法で声を届けた。

「虎次郎、炎を纏って魔主をひたすら焼きなさい」

 唐突の命令に虎次郎は一瞬戸惑うが、

「判った」

 と言って、魔主から距離を取ると炎を纏う。

「レッドベル、あなたは刃を飛ばし続けなさい」

「うん」

 素直な返事と共に、レッドベルも魔主から距離を取る。

「真空斬」

 レッドベルが剣を振り、真空の刃が魔主目掛けて飛ぶ。

 それに合わせて虎次郎も刀を振り炎が地を奔った。

 虎次郎とレッドベルが魔主から離れた事を確認して、タマーリンは満足げに頷く。

 二人が魔主に張り付いて攻撃していては、思い切って魔法攻撃が出来ないからだ。



「ではわたくしも」

 魔法を放つ準備をしようとした刹那、

「そこのお馬鹿、魔法を使うのは止めなさい」

 タマーリンの耳に声が響いた。

「この声は、先生」

 タマーリンは後ろを振り向く。

 振り向いた視線の先にシルフィーナを乗せた船が浮いており、更にその後方に魔術師を乗せた船が数隻従っていた。

「魔主への攻撃はわたし達がするから、あなたは見ていなさい」

 再びシルフィーナの声が耳元で聞こえる。

 風の魔法で声を届けているのだ。

 タマーリンは魔力量も多いのだが、多すぎて既存の方法では回復が追い付かない。

 故にシルフィーナとしては、折角回復した魔力を無駄に使って欲しくなかったのだ。



 タマーリンはしばし考え、

「先生、魔主の周りの黒いもやが魔法を打ち消してしまいます。でも構わず打ち込んでくれればその内消えてしまいますから、そうすれば最後のトドメは武茶士がしますわ」

 その声を風の魔法でシルフィーナに届ける。

 それから武茶士にも声を届ける。

「黒いもやは先生達がなんとかしますから、最後のトドメはあなたに任せますわよ武茶士」 シルフィーナが率いてきた船団は動き、魔主を取り囲むと魔主目掛けて一斉に攻撃魔術を放った。

 雨あられと攻撃魔術が魔主を襲う。



「黒いもやが消せるなら、光の玉の光を当てれば」

 と無茶士は考えたが、その考えを直ぐに引っ込めた。

 魔獣は魔主によって凶暴化されているというのを思い出したからだ。

「このまま魔主を放置すればまた悲劇が繰り返される」

 と言う事に思い当たったのだ。

 その悲劇の元凶の魔主は、ここで倒さなければならない。

 武茶士は両手を前で組み、結界に力を注ぐ。

 中途半端な力では魔主のトドメは刺せない。

 自分の持てる力の全てを注ぎ続ぐ。

 やがて武茶士の頭上に浮いている光の玉も小さくなり始め、ついには消滅してしまう。

 借りたミケラやサクラーノの力も注ぎ込んだのだ。

 無茶士の前で組んだ両手の周りが光り輝く。


 船からの攻撃魔術が止んだ後、魔主の身体を覆っていた黒いもやは消え失せ、魔主本体が露わになっていた。

 これでもう回復する事もなくなったのだ。

「うおぉぉぉぉぉ!」

 これで最後とばかりに武茶士が雄叫びを上げ前で組んだ拳を放つ。

 放たれた光の拳は魔主に命中し、そのまま魔主の上半身を消し飛ばしてしまう。

「や、やった」

 力を使い果たした武茶士は、その場に倒れ込んだ。

 役目を果たしたその表情は、満足そうに笑っていたという。



後書きです


ネトフリでライジングインパクトの二期がいつの間にか置いてあったので見たよ。

面白過ぎて気が付きゃ十四話一気見でしたよ。

主役の声の久野美咲、演技が上手になったよね。

一時期、演技に苦しんでるなという感じも見受けられたんだけど、今回のプニ助の声はシリアスからギャグまでシームレスに変化していて、凄いなと思った。

三期あるのかな?

あるならまた見よう。


ではまた来週(@^^)/~~~


                       (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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