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外伝1「さすらいの勇者1ー126」

 パチパチパチ

 

 突然、部屋の外から拍手が聞こえてきた。

 音の方を武茶士とサビエラが見る。

「タマーリン」

「タマーリン様」

 二人同時に名を呼ぶ。

「見事ですわ武茶士、サビエラを守ってくれてありがとう」

 頭を下げるタマーリンを見て戸惑う武茶士。

「よ、よしてくれよ。俺がサビエラさんを守りたかったから守っただけだから」

 慌てる武茶士の背中に、

「無茶士さん、怖かった」

 サビエラが抱きついてきた。

「さ、サビエラさん・・・」

 ドキッとして固まる武茶士。

 こんな時、どうしたらいいか判らず固まってしまったのだ。

「あらあら、見せつけてくれますわね」

 嬉しそうに笑うタマーリン。



 倒れていた魔獣が動いた。

 さっと、サビエラを自分の後ろに庇う武茶士。

 タマーリンもいつでも呪文を発動出来るように構える。

 しかし、魔獣は攻撃してこなかったのだ。

 魔獣達の表情から狂気に満ちた要素は全て消え失せ、みな穏やかな表情をしていた。

 それどころか武茶士を見て盛大に尻尾を振っている。

「えっ、えっ・・・なに?」

 わけが判らず戸惑う武茶士とタマーリン。

「武茶士、あなた何かしましたの?」

 とタマーリンに問われ、

「俺?俺は何もしてない・・・あっ、さっき、ミケラ姫とふわふわのピンクの髪の女の子に力を貸して上げると言われたっけ。それかな?」

 ミケラの名前が出てきて考え込むタマーリン。

「ピンク髪の少女はサクラーノで間違いないわね・・・ミケラ様とサクラーノ・・・まさか聖女の力・・・・・・聖女・・・聖女・・・聖女ミサケーノ・・・あっ」

 聖女ミサケーノが魔物を聖なる拳の力で改心させたという伝説を思い出す。

「まさか、ミケラ様とサクラーノが聖女ミサケーノの・・・生まれ変わり?」

 と考え、思い当たる節が幾らでもある事に気がつく。

 タマーリンは、ミケラとサクラーノの力の源が何かにようやく思い当たったのだ。




「無茶士さん、手が光ってます」

「えっ?」

 サビエラの声に武茶士は自分の右手を見た。

 確かに光っている。

「な、なんだこれ!」

 武茶士の叫び声に、タマーリンは考えを止めて武茶士達の方を見た。

 武茶士の右手が光を放ち、輝いているのが見えた。

「何ですの、あれは?」



 焦る武茶士。

「・・・を・・・げろ」

 どこからか声が聞こえた。

「ど、どこから?」

 声の出所が判らず探す武茶士。

「手・・・上げ・・・」

 また聞こえた。

 耳からではない。

「手を上げろ!」

 それは自分の内からの声、魂の叫びだった。

「うおぉぉぉぉぉぉ」

 雄叫びと共に武茶士は光を放つ右手を天に掲げ、光の玉が武茶士の右手から放たれる。

 光の玉は食堂の天井をすり抜け、建物の上空で膨らみ、更に光輝く。

 その光はあまねく砦を照らし、その光は建物を通り抜け、地下に避難している人々にすら届いた。

 そして全ての人々は見たのだ、その光の中で元気に笑うケットシーの女の子の顔を。


後書きです


ここ数日、暑いですね。

我が家もエアコン回しているのに連日、36度超えです。

室温36度超えると一気に気力を持ってかれます。

小説も書く気力がわかなくて、涼しい夜中や朝方に書くようにしてます。

図書館は涼しいから、今度から図書館に逃げ込むかな。


ではまた来週(@^^)/~~~


                      (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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