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外伝1「さすらいの勇者1ー120」

 武茶士はもがく。

 木に嫌という程叩き付けられ、結界をクッションにしたが衝撃を吸収しきれず、身体がバラバラになりそうな激痛の為に動けなくなっていたのだ。

「クソ、クソ、何が勇者だ!何も出来ないじゃないか!動けよ、動いてくれよ!勇者なんだろ!」

 心の底から吠えた。



「大丈夫よ、あなたは自分の力の使い方が判らないだけなのよ」

 突然、どこからともなく声が聞こえ、周りの全ての動きが止まった。

 空を跳ぶ魔獣も、その魔獣に向かって投げられた槍も、まるで一枚の絵のように空中に貼り付けられている。

「な、なんだ?」

 武茶士はなんとか動く首を回して周りを見回すが、本当に動いているのは自分だけだと判って頭が混乱する。

「わたしが時間を止めたの」

「わたしも時間を止めたの」

 空中に、二人のケットシーの女の子が現れる。

 一人はミケラだった。

 もう一人は武茶士の知らない、ふわふわの桜色の髪の毛のミケラと同じくらいの女の子、サクラーノだ。

「き、君は・・・お姫様?いや、似ているけど別の子?」

 姿形はミケラにそっくりだったが、身体から神々しいオーラを放っていたので直ぐに別の存在だと気がつく。

「うふふふ、それは秘密」

「そう、秘密なの」

 ミケラとサクラーノのそっくりさんは互いに顔を見合って、クスクスと笑う。

「あなたの本当の力を教えに来たの」

「あなたの力を解放に来たの」

 ミケラとサクラーノは手を伸ばす。

「わたしの手を握って」

「わたしの手に触って」

 言われて無茶士は鉛のように重い手を伸ばし、二人の手に触った。

「わたしの力を貸して上げるわ」

「わたしの力を使わせて上げる」

 触れた手から力が流れ込み、身体の痛みが見る間に無くなっていく。

 それどころか、身体の内側から力が溢れてくるではないか。

「こ、これは」

 驚く武茶士に、

「あなたの本当の力は仲間の力を借りる力」

「あなたの力は仲間の力を束ねる力」

 二人の言葉は耳では理解出来なかったが、魂が理解する。

「さっ、あなたの力を必要とする人がいるわ」

「あなたの助けを待っている人がいるわ」

 二人が指し示す方向に、虹の柱が立っていた。

「サビエラさ~~~~~ん」

 雄叫びと共に武茶士は走っていた。


後書きです


ふ~っ、やっとここまで来た。

今回の無茶士のシーンは温泉宿書き始めえたころから入れる予定だったので、

長かったです。

勇者としてはポンコツだった無茶士もやっと勇者らしい働きができますよ。


それにしても、ヨルクラ終ってしまいましたね。

ロスで心が折れそうです。

夏アニメが始まれば、別の推しを見つけて…推しの子の二期やるじゃん。



ではまた来週(@^^)/~~~


                      (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))


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