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外伝1「さすらいの勇者1ー108」

 そして、それは始まった。

 最初の内は仲間の死骸をものともせず蹴散らして進んでいた魔獣達だったが、増えた仲間の死骸を避けて進むようになり、ゆっくりと外へ、森の方へと進路をずらし始めたのだ。

 第一陣は最前線で魔獣と当たるので精鋭部隊で構成されている。

 その精鋭の中でも更に抜き出でた者達が中央に配置され、外に行くに従って技量が落ちていく。

 精鋭の中の精鋭で当たるはずの魔獣が、虎次郎と無茶士の作り出した魔獣の亡骸の山によって外の部隊に当たる事になり、混乱が生じた。





 更に間の悪い事に、

「オオカミ型だ、オオカミ型が出てきたぞ」

 誰かが叫んだ。

 今、前戦で相手にしているのは猛牛型の魔獣。

 猛牛型は真っ直ぐ走るだけなら魔獣の中で最も速く、いつも先行してくる魔獣だった。

 身体が大きい分、小回りが利かず、真っ直ぐ走ってくるだけなので、受け止めさえ出来ればさほど怖い魔獣ではない。

 問題は、その後に続くオオカミ型。

 オオカミ型はすばしこく、小回りも利き、やっかいな事に跳躍力もある。

 猛牛型を盾部隊が防いでいる頭の上を飛び越えて後ろに回り、暴れまくって大きな被害をいつも出しているのだ。

 その為、先行した魔術師部隊は猛牛型を牽制しつつ、オオカミ型に攻撃しているのだが、揺れる船の上からでは思うように狙いが付けられず、殲滅するまでにいたならいのが現状だった。

 足の速いオオカミ型が猛牛型に追従し流れに乗り、両サイドに襲いかかる。

 エルフ達もオオカミ型を狙い、数を減らそうとしたが味方に当てないように気を遣ので、どうしても味方周辺への矢の援護は薄くなってしまう。




「矢、放て!」

 第三陣からの矢の攻撃が始まった。

 矢の雨が魔獣達に降り注ぐ。

 しかし、矢を受けて倒れるのは猛牛型ばかりだった。

 オオカミ型は猛牛型より小さいので、猛牛型に先に矢が当たってしまうからだ。

 邪魔だった猛牛型が減り、オオカミ型が活発に動けるようになってしまう。

 それでも、第二波、第三波、矢の雨で数を減らすが、次から次へと魔獣達はやって来て増えるのを抑えるのが精一杯だった。




 矢の雨をくぐったオオカミ型は、中央にいる虎次郎や無茶士にも襲いかかった。

 猛牛型の死骸をジャンプ台にして次々と襲いかかってきたのだ。

 しかし、虎次郎の刀が一閃、襲いかかってきたオオカミ型は全て空中で真っ二つにして叩き落とす。

 次に襲いかかってきたオオカミ型も武茶士がことごとく吹き飛ばしてしまう。

「これはいかんのう、わし等の出番無いかもしれんぞ」

 ドンが虎次郎と無茶士の強さに呆れて、ぼそっと呟く。


後書きです


今回は難産でした。

書いても書いてもなんかイメージと違って。

流しの戦闘シーンは苦手かも。

主人公と極悪人とのバトルなら盛り上げられっるんですが、流しだから盛り上げるシーン無いし。

読みに来てくれる人に、流しだからつまらないですとも言えないし。

創作は奥が深いなと改めて実感。


ではまた来週(@^^)/~~~


                       (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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