表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/592

転生したら最強勇者になったが、住民の方が優秀だった件 その14

 言い終わると同時にチャトーミの身体がぶれた。

 それも一瞬だけで、次の瞬間にはチャトーミが三人に増えたのだ。

「わっ、わっ、すご~い!」

 ミケラが手を叩きながら大声で歓声を上げて喜ぶ。

「な、な、な、なんだこれ、チャトーミが三人に増えたぁぁぁぁ」

「凄いじゃん、奇跡じゃん」

「四露死苦、四露死苦」

 小妖精達が目を丸くして驚く。

「もう無理」

 唐突に三人だったチャトーミが一人の戻り、ゼェゼェ荒い息をしながら前向きに地面に手を着く。

「向こうの木まで走ってなかったらもう少し出来たんだけど、流石に限界。ちょっとしか出来なくて、ごめんね姫様」

 チャトーミはミケラに謝ったが、

「そんな事無いよ、チャトーミ凄かったよ」

 ミケラは目をキラキラさせてチャトーミを誉める。

 キラキラするミケラの目を見てチャトーミはホッとすると供に、身体の疲れが癒やされていくように軽くなった気がした。

「ありがとう姫様、姫様に喜んで貰ったらなんだか元気出た」

 地面に手を着いて荒い息をしていたチャトーミが立ち上がる。

「ホントに姫様に誉めて貰ったら疲れが飛んじゃった、ありがと姫様」

 チャトーミはミケラに抱きつく。

 ミケラはキャッと声を出して喜ぶ。

「そうだ、今は三人にまでしかなれないけど、練習してもっと凄いのを出来るようになるから、楽しみにしてね」

「ほんと?」

「ほんと、ほんと」

 チャトーミとミケラは手を繋いで楽しそうに踊り始めた。

 楽しく踊るチャトーミとミケラに白い玉を持ったチャトーラが近寄る。

「チャトーミ、元気になったか。じゃ、この玉また置いてきて・・・」

 チャトーラが話し終わる前にチャトーミが頭をスパコ~ンと張り倒す。

「いてぇな」

「いてぇなじゃ無いよ、あたしは疲れてるんだよ。また行ってこいなんて普通言うか兄ちゃん?」

 チャトーラはチャトーミに殴られたところをさすりながら、

「今、元気そうに姫様と踊ってたじゃんか」

「姫様と踊るのと向こうの木まで走るのとじゃ、疲れ方が違うでしょが」

 怒ったチャトーミがまた拳を振り上げたので、チャトーラは「わ、悪かったよ」と謝りながら頭をガードする。

「チャトーラもチャトーミみたいに何人にもなれるの?」

 ミケラに聞かれたチャトーラは、

「無理、あれはチャトーミだから出来るんだ。チャトーミは身体が軽いから、止まったり走ったりの繰り返しが俺は苦手だし」


(Copyright2022-© 入沙界 南兎)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ