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外伝1「さすらいの勇者1ー96」

「そうだ、次からはわたしが迎えに行きます。それでいいですよね?」

「つ、次って・・・」

 唐突の申し出に、一瞬意味が判らなかったが、

「よ、宜しくお願いします」

 少し頬を染めながら武茶士は即答した。

 今のサビエラの発言は、これからも武茶士とデートすると言う宣言なのだ。

 流石にヘタレの武茶士でも、これに応じないわけにはいかない。

「あら嫌だ、ラブラブじゃないの」

 タマーリンの言葉に場が一気に和んだ。



「お客様、ご注文はお決まりになりましたか?」

 給仕の服を来たシルフィーナが声をかけてきた。

「あら先生、その服とてもお似合いですわ」

「ふふふ、そう?」

「はい、先生のために仕立てようにお似合いですわ」

「いやあ、わたしって何を着ても似合ってしまうから怖いわ」

 ちょっとポーズを付ける。

「シルフィーナさん、あなたまで何をやっているんですか!」

 流石にあきれ顔になる武茶士とサビエラ。

「何って、みんなが楽しそうな事してるんだから、それに乗っかっただけよ」

 軽くウィンクをするシルフィーナ。

「あら先生、わたくしが来た時には、既にその服を着て厨房の影に隠れていましたわよね?」

「ギクッ・・・な、何の話かしら・・・」

 空とぼけるシルフィーナ。

 じっ~~と見つめるキマシ達。

 その視線に耐えきれず、

「わたしの事はいいから、さっさと注文決めなさい。食事しに来たんでしょ!」

 逆ギレする。




「はい、注文ですね・・・昨日と同じこれをお願いします」

 サビエラが直ぐに注文を決める。

「かしこまりました、昨日と同じこちらで宜しいですね」

 シルフィーナは注文を受けると手にしたボードに書き込み、尚且つ復唱して注文を確認する。

 その流れるような対応は、長年働いているベテランの域に達していた。

「先生、もしかしてお給仕のお仕事、御経験がおありなんですか?」

「よくぞ聞いてくれたタマーリン、あなたより十倍生きてるんだからそう言う事をしなきゃならない時も有るのよ。理想やプライドでご飯食べられないからさ」

 プライドの高いエルフとは思えない発言だが、シルフィーナはまるで気にしている様子は無かった。

 タマーリンはそれ以上は詮索するのはやめる。

 話したければ自分の方からいつか話してくれるだろう、シルフィーナの性格を知っての事からだった。




「お待たせしました」

 シルフィーナ以外の給仕も協力して、次々と料理が運ばれて来た。

「きたきた、頂きます」

「ちょっと待って、今日の主役は武茶士とサビエラ姉さんなんだから二人の分が来てからだよ」

 先に来たので早速食べようとしたキマシをギリが止める。

「あっ、そうだね・・・ごめん」

 間違っていると判ったら素直に謝れるのがキマシの良い所だ。

「いいのよ、冷めちゃうから先に食べていて」

 サビエラが声をかけるが、

「ギリやベルの分も来てないから、待つ」

 キマシはそう宣言して手を付けなかった。

「あなた達、本当に仲が良いのね」

「そうだよ、真の友と書いて真友なんだからわたし達」

 互いに見つめ合い、頷く三人。


後書きです


無茶士の迷子ネタ、やっと入れることができた。

本当はもっと入れる予定だったのが、なかなか一人にならない、出歩かないで

入れる場面がなくて。

このがいでんの最初のタイトルは「迷子の勇者」だったんですが、

さすがにかっこ悪いなと思って「さすらいの勇者」に変えました。

ここから先、迷子ネタ入れる余裕がないので、2を書くことがあったら入れます。


ではまた来週(@^^)/~~~


                       (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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