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外伝1「さすらいの勇者1ー93」

 その様子を影で見ていてやきもきする三人。

「あのまんまじゃ、二人ともあそこから動かないよ」

 キマシが困ったように声を上げると、

 素早く周りを見回したギリが、

「任せておいて」

 物陰に隠れながら素早く移動するギリ。

「あれでいいか」

 ロープを解くだけで鐘が鳴るように引いた状態でロープで止められている鐘を見つける。

 隠し持っていたナイフを手にすると投げた。

 投げられたナイフは狙いたがわず、鐘突を止めていたロープを切る。


カ~~~ン


 と鐘が一回鳴る。




 鐘が鳴る事で、もじもじとしていた武茶士とサビエラがはっと我に返った。

「しょ、食事に行きましょうか?」

「は、はい」

 サビエラの横に並ぶと、そっと手をサビエラの手の方に伸ばす武茶士。

 無茶士の手が自分の手に触れたので、僅かに迷った末にサビエラはその手を握る。

 お互いに顔を見合わせ、それから何事もなかったように手を繫いで食堂を目指す。



 砦は基本的に食事をする場所は、各隊舎の食堂しかない。

 それ以外は士官が会議に使う会議室兼用の食堂と、視察に来た王侯貴族のための特別な食堂だけだ。

 武茶士達が待ち合わせに使った場所から一番近い食堂は、サビエラ達が寝泊まりしている隊舎の食堂、つまり、昨日、無茶士がサビエラを食事に誘った場所。

 無茶士がいる隊舎の食堂ではサビエラが気を遣ってしまうだろうと考えて決めたのだが、それが完全に裏目に出た。

 武茶士達が食堂に入ると、タマーリンがカウンターの前で睨みをきかせていて、その周りの席だけ誰も近寄ろうとせず、空白地帯になっている。

「やばっ」

 反射的に引き返そうとしたする武茶士だが、サビエラの手を握っているのを思い出し諦めた。

「武茶士~、サビエラ~!席を確保しておきましたわよ~~~~っ!」

 得意満面の笑顔で名指しされ、顔を真っ赤にして俯きながら魔術師達の間を抜けてタマーリンの元まで手を繫いで歩く二人。

「さっ、さっ。二人ともお座りなさい」

 カウンターに一番近い席を勧められ、周りの視線を気にしながら仕方なく座る二人。

 魔術師達からの好奇の視線が痛い。

「これ、なんていう拷問だよ」

 無茶士が下を向いたまま呟く。

 サビエラも顔を真っ赤にしたまま、下を向いていたが、なんとか顔を上げて、

「た、タマーリン様。こんなに見られていたら恥ずかしいです」

 と言葉を絞り出した。

 それはそうだろう、

「食事を済ませて、そのあとちょっとだけ二人で散歩が出来たらいいな」

 と思っていたのに、衆人環視の元で食事をする羽目になったのだから、文句も言いたくなる。

「あらぁ~、ごめんなさいね。そこまで気がつきませんでしたわ」

 それからタマーリンは息を軽く吸うと、


ギン


 と周りに圧をかけた。

 その圧に気圧されて、魔術師達が慌てて一斉に食堂から逃げ出してしまう。

「静かになりましたわよ」

 どや顔のタマーリンに反して、武茶士とサビエラは、

「早く帰りたい」

 と心の底から思っていた。


後書きです


Xの方でも書きましたが、夜中に歯が痛み出して散々でした。

とりあえず痛み止め飲んで痛みは抑えてますが、飯が食えない。

噛めないのでほぼ丸のみ。

明日からおかゆの生活です。


そうそう、エルデンリングの新作の予告見ましたが、やたら「ミケラ」と

名前が出てきて驚き。

名前、パクられた?

まさかね(笑)

うちのミケラの世来は三毛柄だからミケランジェロをもじって付けたんですよね。

あっちの由来を聞いてみたい。


ではまた来週(@^^)/~~~


                    (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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