外伝1「さすらいの勇者1ー81」
「無茶士さん、何故ここへ?」
話も一段落した頃、サビエラがやって来た。
「さ、サビエラさん。えっと・・・」
武茶士が言葉を選んでいる内に、
「船が何度も飛んでいったから、サビエラ姉さんが何か知らないか聞きに来たんだ」
レッドベルが割り込んできた。
「えっ、船?ああ、あれの事・・・」
サビエラが説明しようとしたが、タマーリンの横にシルフィーナも居るのに気がつく。
食堂に入ってここまで、サビエラは武茶士とタマーリンしか認識していなかったのだ。
「いいよ、いいよ。簡単な説明はわたしがしておいたから。それより状況をもっと詳しく知りたいから、言える範囲でいいから教えて欲しいな・・・それより先に食事だね、まだでしょ?」
「は、はい」
サビエラの食事が終わるまで適当な話をして時間を潰す事となった。
「わたし、虎次郎師匠に瞬歩を習っているんだ」
「へえ、あの虎次郎が珍しい事もあるものですわ」
虎次郎に習っていると聞いて驚くタマーリン。
普段の虎次郎はミケラの事以外はあまり感情を示さず、会話もかなり苦手だ。
それでかなり損をしている部分もあるが、武術の事になるときちんと会話も出来るし教え上手だった。
なので、兵士や王の信頼は結構高い。
「師匠によると、わたしは筋がいいそうだ。その内に、師匠と二人でビュ~~ンするんだ」
身振り手振りを交え、はきはきと説明するレッドベルに、
「そう、頑張りなさいね」
と微笑みながらタマーリンは応援する。
「はい、頑張ります」
タマーリンの応援に素直に返事をするレッドベル。
「あら、あなたには珍しくあの子には優しいのね」
「ええ、ああいう表裏のない子は好きよ。貴族社会にいると、裏表の差が酷くてうんざりしますのよ」
本当にうんざりしたように溜め息をつく。
「え~~っ、タマーリンさんて貴族なんですか?」
キマシが驚きの声を上げた。
「そうね、軍属だったわたしを軍から引き抜いて、まだ幼かったタマーリンの魔法の家庭教師にするだけの力を持った貴族のご令嬢様よ」
さらっとシルフィーナは説明したが、
「それって凄い事じゃないですか!うちもそこそこ上位の貴族だけど、軍から引き抜いて家庭教師にするなんて出来ないですよ。どれだけ凄い貴族なんですか?」
同じ貴族の令嬢であるレッドベルが驚く。
「ケットシー王国の今のお妃様が、わたくしのお爺様の妹なだけですわ」
「えっ!」
と言って固まるレッドベル。
「どうしたのベル?」
固まったレッドベルの頬をツンツンするキマシ。
「どうしたって、タマーリンさんて王族の血縁者って事だぞ。普通驚くだろ!」
レッドベルが唾を飛ばして説明したが、
「それが何が凄いの?」
首を傾げるキマシ。
後書きです
葬送のフリーレン終ってしまいましたね。
薬屋のひとりごと終わってしまいましたね。
もう、フリーレンロスと猫猫ロスで苦しいです。
無職転生とゆるキャン△早く始まってくれないかな。
このすば三期も。
PS5買ってから少し浮かれすぎていたと反省、身の回りを整えないとかなりやばい状況になってきたので頑張ります。
このままだと小説書くのも厳しくなるので、それだけは避けたい。
ではまた来週(@^^)/~~~
(Copyright2024-© 入沙界南兎)