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外伝1「さすらいの勇者1ー79」

「タマーリン、こっち、こっち」

 先に来ていたシルフィーナがテーブルに座って手を振っていた。

「こんにちは~~~、先生」

 キマシがトコトコトコとシルフィーナの所まで走って挨拶をする。

「うふふふ、いらっしゃい」

 シルフィーナはキマシの頭を撫で、キマシも撫でられるのに任せる。

「もう、キマシったら」

 ギリが追いかけてきて、

「すみません」

 とシルフィーナに頭を下げると、キマシを引き剥がす。

「こんにちは」

 後から来たレッドベルがシルフィーナに挨拶をする。

「あらら、三人揃って何かしら」

 楽しそうに笑うシルフィーナ。

「先生なら知ってるよね、さっきから一杯船が飛んでいるのに警報の鐘が鳴らないの?」

 単刀直入に聞くキマシ。

「その話?なんだつまんない・・・昨日みたいな騒ぎを期待してたのに」

 何を期待しているのだろう、このエルフは。

「まっ、いいわ。知っているけど、その前に食事にしましょう?あなた達食事は?」

 キマシ、ギリ、レッドベルはお昼を食べる前に飛び出してきた。

 その三人に引きずり出されてきた武茶士も当然まだだ。

「えへへへ、実はここで食べる気で来たの」

 キマシの言葉に、ギリもレッドベルもウンウンと頷く。

「だったら座って、座って」

 それぞれが席に着くのを待って、

「メニュー持ってきて頂戴」

 近くにいる給仕に合図をして、シルフィーナはメニューを持ってこさせる。

「さあ、好きなのを選んでね」

 と言われても、メニューには料理の名前と肉料理とか魚料理とかの簡単な説明と、見慣れない印が付いているだけだった。

 顔を見合わせるキマシ達。

「どうしたの?」

 キマシ達が戸惑っているのを見て、シルフィーナが聞いてくる。

「どんな料理か判らないので、どれを頼めばいいのか判らないです」

 ギリが代表して答えた。

「あっそうか、忘れていた。あなた達、ここに来るの初めてだものね。わたしも最初、判らなくて苦労したのよ」

 シルフィーナはあはははと笑う。

「それじゃあ、周りを見回して美味しそうなのを見つけたら教えて」

 言われたとおりにキマシ達は周りを見回す。

 周りの人間も馴れているのか、見られても気にした様子は無い。

「あれがいい」

「あれ、美味しそう」

「わたしは断然あれだ」

 とわいわい騒ぎながら指さしていく。

 キマシ達が指した料理を、シルフィーナはその都度、メニューのどの料理か教える。

「先生、楽しそうですわね」

 料理を一通り注文した後、シルフィーナの横に座っているタマーリンが囁く。

「楽しい?そうかもね、わたしには先生が性に合っているのかも」 

 軍人だったのをその才を見込まれて幼い頃のタマーリンの魔法の教師となり、その後も田舎で教師として数年過ごした。

 軍人が嫌いではないが、戦場に身を置くより子供に勉強を教えている方が楽しく感じるようになっていたのだ。

「そろそろこの仕事引退して、あんた達の街で子供に勉強でも教えようかな?」

 とフラグが立つような発言をする。


(Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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