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外伝1「さすらいの勇者1ー78」

「船、一杯飛んでいったよね?」

「そのくせ鐘は一度も鳴らなかったよね?」

 キマシとギリが二人して空を見上げていた。

「そうだ、サビエラ姉さんなら何か知っているんじゃないか?」

 サビエラ達、魔道研のメンバーは魔術師達と同じ隊舎を宿にしていたのだ。

「おっ、流石ベル。いいアイディアだ」

「それなら武茶士も誘おう。サビエラ姉さんも喜ぶよ」

「ギリもナイスアイディア」

 ハイタッチするキマシとレッドベル。

「それじゃ行こうか」

「お~っ」

 それから三人は武茶士を無理矢理連れ出して魔術師達の隊舎へと向かうのだった。




「お前達だけで行けばいいだろ、なんで俺まで」

「いいじゃん、それにさっき飛んでいった船の事気になるでしょ?」

 キマシの言葉に、武茶士は黙る。

 何度も往復していった船の事は確かに気になっていたのだ。

 三人が言うとおり、サビエラなら何か知っている可能性は高い。

「仕方ないな、今度だけだぞ」

 結局折れて三人の後に続くのだった。




 隊舎の作りはどこも同じなので、四人は真っ直ぐ食堂を目指す。

「サビエラ姉さんどこかな?」

 魔術師の隊舎の食堂の入り口でサビエラを探してキョロキョロと見回す三人娘達。

「すみません、すみません」

 その横を怪訝そうな顔で通り過ぎる人たちに平謝りする武茶士。

「あなた方、こんなところで何をなさっているのかしら?」

 聞き覚えのある声に、武茶士はあからさまに嫌な顔をする。

 武茶士の中で会いたくない相手一位に輝くその名は、

「こんにちはタマーリンさん」

 物怖じしないキマシが声に嬉しそうに挨拶する。

「わたし達、サビエラ姉さんを探しているんです、知りませんか?」

 物怖じしないという点ならキマシ以上のレッドベルが、タマーリンに尋ねた。

「サビエラはまだこちらに来られないかもしれませんわ、来るまで一緒に食事でもいかがかしら?」

 タマーリンの提案に、

「は~い」

 と応じる三人。

「武茶士も当然一緒に食べてくれるわよね」

 逃げようとした武茶士を、逃げ出す前にしっかりと釘を刺す。

「よ、喜んで」

 逃げられないと悟った武茶士は泣きそうな顔で答えた。

「うふふふ、泣く程喜んでくれて嬉しいですわ」

 屈託なく笑うタマーリンを見て、

「こうしていれば美人で通るのに」

 と思ってしまうが、その仮面の下に悪魔が住んでいる事は身をもって知っていた。

「それでは参りましょう」

 タマーリンが先頭に立って、しゃなりしゃなりと歩く。

 歩く先にいる魔術師達は恐怖と尊敬の眼差しで次々とタマーリンに道を譲っていく。

 自分達が何十人でかかっても出来ない事を、タマーリンはたった一人、ただ一回の魔法でやってのけたのだ。

 魔法を使う者としての圧倒的技量の差、遙か高みにいる存在、追いかけるべき大いなる目標、それぞれの思いが交差していた。

 人々は畏怖の念を持って左右に分かれ、その間をタマーリンが悠然と歩いて行く様を見て、

「まるでモーゼだ」

 と呟く武茶士であった。

 

後書きです


なろうがリニューアルされましたが、なんか使い難い。

アクセス観たいと探してもメニューにない、どこ?どこ?と散々探し回る羽目になるし、

新規投稿も使いやすい面もあるんですが、なんか使い難いなと感じる面もあるし。

これはおいおい慣れるしかないのかな?


それとお詫びを一つ。

武茶士の名前がいつの間にか無茶士になっていました。

直すのは置換を使えばすぐなんですが、どうせ直すなら内容も直したいなと思います。

本編の直しも止まってますが、本編の直しが終わったらやります。

時間かかるかもですがよろしくお願いします。


ではまた来週(@^^)/~~~


                     (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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