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外伝1「さすらいの勇者1ー71」

「そうだ、わたしはお米の人・・・じゃなくて虎次郎さんに用事があったんだ」

 レッドベルが突然叫んだ。

「虎次郎に用事?」

 何だろうと思い、無茶士はつい反応してしまう。

「うん、あのビュ~~ンて言うのを教えて欲しいんだ」

 ビュ~~ンというのは瞬歩の事だ。

「どうします虎次郎?」

 瞬歩は以前、無茶士も教えて欲しいと頼んだのだが、

「お前には必要ない」

 と断られたのだ。

 それがあって、無茶士は虎次郎はどうせ断るだろうと思っていた。

「お前がどの程度か見たい、無茶士と戦って見せろ」

「え~っ、俺ですか?」

 断ると思っていたのに、いきなり自分に火の粉が降ってきたので驚く無茶士。

「無茶士はそのままそのハリセンを使え」

 それからレッドベルの方を向くと、

「お前は好きな得物を使え、当ててもかまわぬ。あいつには結界がある、並の腕では届かぬからな」

 虎次郎にしては珍しく、饒舌じょうぜつだった。

「まっ、仕方ないか」

 レッドベルとは一度戦った事があるので、その実力の程は判っている。

「ではいくぞ」

 無茶士はハリセンを構えた。

「よろしく頼むのだ」

 レッドベルも自分の剣を抜く。



「いつでもいいぞ」

 レッドベルが構えるのを待ってから無茶士は声をかける。

 昨日戦ってレッドベルの実力は概ね把握出来ていたので、

「胸を貸してやろう」

 くらいのつもりでいたのだ。

「てやぁぁぁぁ」

 レッドベルが切り込んできた。

「えっ、速い」

 昨日より切り込んでくるスピードが段違いだった。

 咄嗟にハリセンでレッドベルの剣の腹を叩き、剣を逸らす。

 剣を弾かれたレッドベルは、弾かれた力を利用してその場で回転、無茶士の胴体を狙って回転切りをした。

 しかし、それは無茶士が虎次郎相手に何度も使った事があるので、難なく回避出来たが、

「なんなんだ、昨日とはまるで動きが違う」

 昨日戦った時よりも動きが良くなっている上に、反応速度もかなり上がっている。

 無茶士は一旦距離を取ると、

「昨日と動きが違うけど、まさか昨日は重い鎧を着ていたとかじゃないよな?」

 某国民的漫画ドラゴン○では力を付けるために常に重い装備を着て修行をしていたのを思いだしたのだ。

「重い鎧?違うぞ、昨日隊に帰ってから特訓しただけだ」

「特訓って、昨日帰ってからそんなに変わるかよ」

 武茶士達が昨日、隊に帰った時は夕方四時を回っていた。

 レッドベルが隊に戻ったのも多分そのくらいのはずだ。


                     (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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