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外伝1「さすらいの勇者1ー62」

「騒ぎも落ち着いたみたいだから」

 ジェーンが裏方からこっそりとサビエラに声をかけた。

「そうね・・・コホン」

 サビエラは咳払いを軽くする。

 その咳払いにギクッと反応するジークとクロウベル。

 二人の反応を見て苦笑いするサビエラ。

「やり過ぎちゃったかな・・・兎に角お仕事、お仕事」 

 サビエラは気を取り直して、マイクを握る。

「それではこれから皆様の前にある魔法投影機の説明に入りたいと思いますので、ご着席下さい」

 サビエラのアナウンスに、

「始まるみたい」

「無茶士の話だとなんか凄いみたいだから楽しみ」

「凄いのか?ワクワクするな」

 三人娘達は早速席に戻った。

 ジークとクロウベルもほっとして席に着く。

 サビエラは皆が席に着くのを確認してから、

「それでは今から魔法投影機に外にいる一つ目ちゃんの映像を映し出します」

 合図と共に魔法投影機に映像が映し出される。

 画質はHD程度で、4Kを見慣れた目からは物足りなく感じてしまうだろうが、これがこの世界で初めての大型テレビならば性能としては充分だろう。

「なんだ、なんだ。外からここを見ているのか?」

 ジークが映像を見て周りをキョロキョロと見回し、

「あいつか」

 空中で羽ばたいている一つ目ちゃんを見つけた。

「ジーク指令正解です。一つ目ちゃんは空中からこの簡易天幕を見ていて、その映像がこちらに写っているのです」

「おおっ」

 見た事のある無茶士やタマーリン以外から感嘆の声が漏れる。

「凄いよ凄いよ、ギリ、ベル、わたし達が写ってるよ」

 キマシは一つ目ちゃんに向かって手を振ったりして、大はしゃぎだ。

「絵の中のあたしが動いてる」

「これが魔法の力なのか?魔法って凄いな」 

 ギリもレッドベルも食い入るように見つめ、感嘆の声を漏らす。




「それでは移動させます」

 サビエラの合図で一つ目ちゃんが移動を始め、それに合わせて画面も動く。

 一つ目ちゃんは砦を一周する。

「上からこうして砦を見るというのもなかなかのモノですな」

 クロウベルが感心したように感想を漏らした。

「こうやって別の視点から見れば、砦の防衛の役に立つかもしれんからな」

 ジークとクロウベルは砦の防衛に役に立つかもと、真剣な眼差しで一つ目ちゃんからの映像を見つめていた。


                       (Copyright2024-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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