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外伝1「さすらいの勇者1ー60」

「ほら見て下さい、あんなに楽しそうに笑っているじゃないですか」

 サビエラに言われるまでもなく、レッドベル達の笑い声はジークにもクロウベルにも聞こえていた。

「ベルはあんな笑い方も出来るんだな」

「わたしも初めて見ました、親として恥ずかしいです」

 神妙な顔で二人は顔を合わせ、

「俺たち、ベルが懐いてくれていたから気がつかないうちに、ベルを俺たち色に染めていたのかもな?」

「そうですね、いつの間にかわたし達好みの性格にしてしまったようです・・・親としてそれに気がつかないとはトホホです」

 自分たちの間違いに気がつき、二人は改めてサビエラを見た。

「俺たちの間違いを気づかせてくれてありがとう、いや、ありがとうございます」

 ジークは立ち上がるとサビエラに深々と頭を下げた。

「わたしも親としての間違いに気がつかせて頂いて、本当に感謝する」

 クロウベルも立ち上がり、サビエラの手を取ると頭を下げた。

「あ、頭を上げて下さい、わたしはそんなつもりじゃなくて・・・ただレッドベルが素直でいい子なのに言動が変だったから・・・」

 流石に砦の指令であるジークや副司令のクロウベルに頭を下げられ、サビエラは困り果ててタマーリンに助けを求めるように視線を向ける。





「お二方、ご自分の間違いに気がついたのならそれで宜しくなくて」

 タマーリンがジークとクロウベルに声をかけた。

「うちのサビエラが随分失礼な事を言いましたが、この子なりにそちらの娘さんの事を心配しての事ですから」

 ニコッと笑うタマーリン。

 だがその目は笑っておらず、

「これ以上この話はやめましょう」

 と無言の圧をかけまくる。

「そ、そうだな・・・俺も別に怒っているわけではないし・・・なっ、クロウベル」

「は、はい、怒るどころか感謝しているくらいですから・・・」

 二人とも冷や汗をかきながらタマーリンに返事をした。

 戦場で修羅場は何度もかいくぐってきているので、タマーリンから発せられる圧が、

「逆らったらやばい」

 と感じ取ったのだ。



「と言う事よサビエラ」

 サビエラに優しく微笑みかけると、タマーリンは自分の席に戻る。

「ありがとうございました」

 その後ろ姿に頭を下げるサビエラ。





「す、凄いぞあのケットシーのお姉さん。圧だけでジークおじさんとお父様をタジタジとさせた。いったい何者だろう?」

「タマーリンさんだよ。さっきね、一人で魔獣の大群を消滅させて・・・谷を溶岩の海に変えちゃったから、今日は魔獣攻めてこないんだよ」

「な、なに!それは本当なのか!」

 素っ頓狂な声を上げるレッドベル。

「本当だベル、あたしも一緒にその場にいて見てたから」

「凄かったんだよ、詠唱一回で火球を十個も出しちゃって、その火球が飛んでいく最中に幾つにも分かれて、最後は魔獣の頭から降り注いだんだから」

 キマシが興奮して手振り身振りで見てきた事を説明した。

「凄いな、わたしも見たかったな・・・でも、そんなに凄い魔術師の話を一度も聞いた事がない、何故だろう?」

 タマーリン程の使い手ならばその噂は砦から遠い人間領にも聞こえてくるはずだ、だが、タマーリンの噂などレッドベルは一度も聞いた事がない。

「それがね、本当はケットシー王国の首都を守るのが仕事だから、砦には一度も来た事無いんだって。それが来たのは・・・・・・う~ん、なんだっけ?」

 思い出せず、ギリの方を見るキマシ。

「もうキマシったら。確か、ミケラってお姫様がいて、そのお姫様がタマーリンさんのお気に入りだからお姫様に危害が及ぶ前に来たんだよ」

 流石にギリは斥候だけあって、一度聞いた話でもきちんと覚えている。

「そうそう、そんな話だったね。判ったベル?」

 ギリが説明したのに、偉そうに上から目線のキマシだった。


後書きです


今日も又、投稿がこんな時間になってしまってごめんなさい。


ところでちょっとお知らせ、PVが三万超えました。

大手や人気作と比べて弱小ですから二年書いて三万というのもなんですが、励みにはなります。

ネタが尽きるまで頑張るのでこれからも宜しくお願いしますね。


ではまた来週(@^^)/~~~


                     (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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