外伝1「さすらいの勇者1ー58」
「なあ、わたしってそんなに変か?」
レッドベルは、ジークとクロウベルが、サビエラにお説教を食らっている所から離れた場所にギリとキマシと座っていた。
「わたし、ギリに常識がないってしょっちゅう言われるけど。そのわたしから見てもベルは変だよ」
キマシが容赦なく言い放つ。
「わたしのどこが変なんだ、教えてくれキマシ」
「そんな事も判らないの?」
キマシが調子に乗り始めた。
「このわたしが教えて上げるわ」
「宜しくお願いします先生」
「先生?今、わたしの事を先生と呼んだ?」
「はい、先生」
澄んだ瞳でレッドベルはキマシを見る。
「先生、なんていい響きなのかしら」
キマシは先生という言葉に酔いしれた。
「ふっ、先生が直々にあなたの間違いを教えて差し上げますわよ」
キマシは完全に調子に乗った。
「はい、先生」
期待に満ちた目で見るレッドベル。
「いいこと、女の子は男の子にいきなりおっぱいを押しつけたりしないのよ」
キマシの言葉に、
「ガ~~~~ン」
ショックを受けるレッドベル。
「だ、ダメなのか?」
「ダメね」
「ダメだね」
ギリも流石にこれはキマシに同意する。
「おっぱいはね、女の子の大事なモノだから簡単に男の子に触らせちゃダメなの、ちゃんとお付き合いしてからこの人なら大丈夫と思った人にだけそっと触らせて上げるんだよ。判った?」
「判りましたキマシ先生」
レッドベルは生真面目にメモをしっかりと取る。
「ちゃんとメモを取るなんて、えらいえらい」
誉められて、
「えへへへへ、ありがとうございます先生、ところで先生、質問があります」
「何ですかレッドベルさん」
完全に天狗になっていた。
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