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外伝1「さすらいの勇者1ー24」

「おーい、ちゃんとやれよ!それじゃ賭けが成立しないだろう」

 チェンからヤジが飛んだ。

「そうだ、そうだ」

「わたし達のおやつが掛かっているんだから、ちゃんとやってよ」

 ギリとキマシも必死だ。

 なにしろ、賭けには三時のおやつが掛かっているのだ。

 砦では毎日、三時におやつが出されていた。

 食堂のおばちゃん達が、

「身体使った後は甘い物は必要だから」

 と腕に寄りをかけて作ってくれているのだ。

 このおやつを楽しみにしている兵士は少なくない。

 特にギリとキマシは、

「このおやつの為に、わたし達は砦に来たのよ」

 と言って回る程はまっていた。

 そのおやつが食べられないのは、二人にとって死活問題に等しかったのだ。




「これを飲め」

 虎次郎が水の入った木製の水筒を投げて寄越す。

「ありがとうございます」

 水筒の水を一口飲む。

「次は打ってこい」

「はい」

 無茶士はハリセンを構えると、気合いの声と共に虎次郎に打ち込む。

「ぬるい」

 虎次郎は無茶士が打ち込んでくると同時に身体を僅かにずらす。

 無茶士のハリセンは虎次郎の着物をかすめていった。

「まだまだ」

 直ぐに切り返す無茶士。

 その攻撃も虎次郎は後ろに数歩下がるだけで躱す。

「まだぬるいぞ」

「まだ準備運動ですから」

 無茶士は上から下へ、右から左へと次々と太刀筋を代えて虎次郎に打ち込む。

 その全てが虎次郎の身体にかすりもしない。

「どうした、これで全てか?」

「これから、これから本気です」

 無茶士の剣筋が変わる。

 より鋭く、より速く。

「ふむ」

 虎次郎がにやっと笑う。

 余裕で躱していた虎次郎が少しずつ、ハリセンを使って反らすようになって来たのだ。





「ほほう、やるではないか流石勇者だな」

「そうですね、勇者様は伊達ではないようですね」

 ドンとサンチョは温かい目で無茶士を見つめていた。

「どうよヒット、勇者様は使えそうか?」

「まだまだ荒削りですけど、光るモノはあると思います。虎次郎もそれを感じて相手をしているのでしょう」

 ヒットの評価も概ね良好だった。

「ギリ、見える?」

 キマシは既に無茶士の動きを目で追えなくなってきていた。

「なんあとかね、流石ケットシーの勇者様だよ。わたしじゃもう相手にならないよ」

 身体能力は人間よりケットシーの方が高い。

 その上、戦闘系のタレントの補正が入ると手に負えなくなる。

「まっ、私らは私らで出来る事をやればいいんだけどさ」

「そうだね」

 


 ケットシーは身体能力は高いが、それはあくまでも個人としてだ。

 ネコ科のケットシーは個人戦には強いが、団体戦での連携が苦手だった。

 逆に個体の能力は劣るモノの、団体戦になると巧みに連携を使う人間の方が強いのだ。

 ドワーフは団結力が高く、身体が頑丈で力も強いので守りながらの攻撃が得意だった。

 ドワーフ一人で人間、数人分の防御力を持つと言われている。

 そのドワーフが数人で作った盾の壁は強固な防御壁となるのだ。

 砦にはエルフ達もいるが、エルフはケットシー同様、個人主義者であったが知性が高く知性的に動くので状況を見ての連携を得意としていた。

 森の加護を受け、弓を得意としているので森の中では無敵の強さを誇る。

 砦の周りは深い森で覆われており、砦の周辺の守りはエルフが一手に引き受けてくれていたのだ。

 

後書きです


PS5を買いました。

専用ソフト、画面がめちゃキレイ。

PS4のゲームも動くんですが、ニーア・オートマタの2Bの肌がきれいで驚きました。

ただ、セッチングやソフトのアップデート、PS4からのデータの転送までやったらかなり時間が食われました。

これでFF7の新作を遊ぶ準備はできた(^_^)v


ではまた来週(@^^)/~~~


                    (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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