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外伝1「さすらいの勇者1ー15」

「ところで、マオというのはどなたですか?」

「一緒に住んでいる女の子だよ、女の子と言っても見かけだけだけどな。力は下手な大人より強いし、背中から翼を出して空も飛ぶし」

「なんなんですかその子」

 サンチョが目を丸くして驚く。

 当然の反応だ。

「聞いた話じゃ、元魔王らしい」

「ま、魔王?あのお伽噺に出てくる?」

「まあ、そうらしい。街に来た時は闇で出来た巨人だったみたいだけど、ミケラ様に出会った時にその闇が吹き飛んで中から出てきたのがマオって話だ」

 荒唐無稽な話だった。

 いくらこの世界が剣と魔法の世界でも、闇の巨人が現れてその中から女の子が出てくるなんていう話はぶっ飛びすぎている。

「なんなんですか、何かの冗談ですか?」

 当然のようにサンチョは信じなかった。

「俺はその場にいたから、本当の話だ」

 虎次郎がぼそっと呟く。

 マオが現れた時、虎次郎は閃光で目をやられて見ていないのだが、ミケラとマオのやりとりは聞こえていた。

「本当の話なんですか」

 サンチョは再び、目を丸くする。

「それで驚くのは早いですよ、ミケラ様の周りにはもっと凄いのがいますから。例えば一緒に働いているクロなんて、神龍ですよ。本当の姿を一度見せて貰いましたけど、頭が雲を突き抜けていましたよ」

「し、神龍?」

 話が突飛すぎてサンチョの頭では追いつかなかったが、次の話を聞いた瞬間、背中に汗をかく事になる。

「それに、ミケラ様はタマーリンにめちゃくちゃ可愛がられているんだよ」

「タ、タマーリン!」

 タマーリンの名を聞いた瞬間、サンチョの顔は真っ青になり、顔からだらだらと脂汗を流し始める。

「どうしたんですか?」

 サンチョのあまりの変貌振りに驚く武茶士。

「タ、タマーリンと言うと、胸がでかくてもの凄い美人で、それで性格はとことん悪いあのタマーリンですか?」

 震える声での一言で武茶士はおおよその察しは付いた。

 サンチョもタマーリンにひどい目に合った口だ。

「俺も酷い目に何度も合っているんで、何が言いたいかは判るよ・・・ほんと、見た目に反して性格は最悪だよね」

 武茶士はタマーリンにされた酷い事の数々を思い出して涙が出てきた。

「武茶士、お前もか」

「ああそうだ」

「同士よ」

 ガシッとに手を握り合う。

 熱い友情が生まれた瞬間だった。




「うぉおおおおお!」

「どりゃぁぁぁぁぁ!」

 チェンとドンは互いに雄叫びを上げ、力の限りに構えて盾で体当たりをした。

 盾同士が衝突し、激しい音を立てると同時にバラバラに壊れる。

「貴様、少しは手加減をせんか!」

「そう言うお主こそ、手加減をすれば良いじゃろ」

 怒鳴り合う二人。

「何を言う、手加減したら訓練にならんだろうが」

「そうじゃな、互いにあらん限りの力を出し切って高め合う。大事な事じゃ」

 互いの言葉に納得したように頷くと、

「ようし、もう一度だ」

「よっし、のぞむところじゃ」

 壊れた盾を捨て、新しい盾に代えると再び激しくぶつかり合う。

 チェンとサンチョの周りには壊れた盾が散乱していた。



「何をやっているんですか、あの二人は?」

「うちの旦那様は脳筋で、更にその上を行く脳筋がチェン隊長ですので」

 サンチョがさらっと流す。

「やれやれ、これ以上散らかすと後片付けが大変になるので止めてきます」

 するすると二人に近寄ると、サンチョは二人を力でねじ伏せて止めたのであった。


後書きの時間だよ


ティアムーン帝国物語を見ていたら、突然、聞き覚えのある声が。

東山奈央が生徒会長役で出てきました。

完全にノーチェックだったので本気で驚きました。

ティアムーンはコミックスのファンだったので見ていたのですが、楽しみが増えましたわ。



ではまた来週 (@^^)/~~~


                   (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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