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外伝1「さすらいの勇者1ー9」

「そうか、色々聞いて悪かったな。これから一緒に戦う事になるからな、どれだけの事が出来るか知っておきたかったんだ。細かい事は飯食ってからにしようぜ、あそこで好きなもん皿に載せてきな」

 この食堂はビュッフェタイプだった。

 山盛りに料理が乗せられた皿が大きめのテーブルに幾つも置かれていた。

 料理が置かれているテーブルの他にも樽が幾つも置かれているテーブルがあり、樽には注ぎ口が取り付けられていた。

 飲み物はそこで注げという事なのだろう。

 種族も違えば好みも変わるし、食べられるモノだって変わるのだ。

 例えばケットシーは猫の妖精なので必然的に猫の食べられないモノはケットシーも食べられない。

 香辛料の多くやタマネギが食べられない事をタマーリンの座学で知った時は、武茶士はかなりのショックを受けた。

 何故かと言うと、カレーが食べられないのだ。

 カレーと言えば多くの香辛料を使い、タマネギをじっくりと飴色まで炒めてから煮込むのが定番。

「タマネギが入っていないカレーなんてカレーじゃ無い」

 と言いきる程、武茶士はカレーにタマネギが入っていないのを許せないタマネギ原理主義者なのだった。

 肉は鳥、豚、牛、マトンで無くても魚介類やソーセージでも許せるが、タマネギだけは絶対に譲れない、最終防衛ラインなのだ。

「まさか、猫はカレーを食べてはダメとは知らなかった」

 がっくりとうなだれる武茶士。

 人間の血が混じってしまっているので、全部の香辛料がダメというわけでは無い。

 武茶士は食べられる香辛料を使って、いつかカレーを作ってやるという野望があった。

「ただお米がなぁ」

 この世界に来て日が浅いが、王都では一度もお米は見ていない。

 オートミールに似た物はあるので、もしかしたらどこかにお米もあるかもしれないと淡い希望を持っていた。

「カレーと言ったら、やっぱりライスですからね。白いご飯以外にも、サフランライス、バターライス、ガーリックライス・・・考えただけでヨダレが。いつかこの世界でもカレーを絶対に食べてやりますよ」

 熱く燃える武茶士であった。

 



「よし、行くぞ」

 ドンがいの一番に動き出す。

「待って下さいドン」

 その後を、サンチョ、ヒット、武茶士達が続いた。

 肉料理が人気なのか、肉料理が豊富に用意され、既に空の皿もあった。

「野菜も食べなさいよ、サラダはあたしらの食べられないもの入ってないから」

 エプロンを着けたケットシーのおばちゃんがサラダをやたら推してくる。

 武茶士は言われるままにサラダを載せた皿をお盆に載せ、更に肉や魚も持って行く。

「ほほう、がっつり食べる気だね。わたしゃ好きだよそう言うの」

 おばちゃんがカッカッカッと笑った。

「ほらほら、飲むモノも持っていかないと。このスープはおばちゃんのお奨めだから」

 と言ってスープを注いだ器を武茶士のお盆に強引に載せてしまう。

「あ、ありがといございます」

「いいってことさ、同じケットシーのよしみだよ」

 おばちゃんは笑うと、

「ちょっと、ダメダメ。それはあんた達が食べられないもの入っているから」

 うさ耳の獣人を注意しに走って行ってしまう。 

 武茶士はおばちゃんを見送ってからテーブルに戻った。

「なんだ武茶士、野菜なんて食うのか。男は黙って肉を食え、でないと力が出んぞ」

 チェンは骨の付いた肉の塊をガツガツと食べながら、ガハハはと笑う。

「隊長、食べながら笑うの止めって何度も言っているじゃない。唾が飛んできて汚い」

「うんうん」

 ギリが文句を言い、キマシがパンをかじりながら頷く。


後書きです


秋アニメ始まりましたね。

今のところ一押しは「オーバーテイク」かな。

作画もすごく丁寧だったし、演出も良かった。

このレベルを最後まで出来たら凄いことになりそう。

「シャングリラフロンティア」も面白そうだったけど、一話だとまだ物語が動いていないし。

二話以降に期待です。


そうそう三話の直しの方も進めています。

三話から話が長くなるので直すのが大変です。

六話なんて直し終わるころは外伝が終わっているかもしれないし、外伝のストックも切れてきたので直しの速度も落ちますから。


ではまた来週(@^^)/~~~


                   (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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