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6話「お妃様の陰謀 112」

「それでは白妙と黒妙はミケラ様を、マオはサクラーノをお願いします」

「はい、わたし達もモモエル様の考えに喜んで賛同します」

「うん、だってミケラ様は何にも悪くないだから。大人が勝手に決めた事にミケラ様が振り回されて可愛そうだよ。わたしは外で元気よく遊んでいるミケラ様を見ているのが一番好き、だからミケラ様の笑顔を守る為なら頑張る」

 黒妙が自分の思いの丈をぶちまけた。

「おおっ」

 一斉にみんなが拍手する。

「黒妙が今言った事がわたし達姉妹の偽りの無い本心です、聖女ミサケーノの生まれ変わりが何よ。そんなのクソ食らえだわ、ミケラ様をそんな事に巻き込ませたりしませんから」

「姉ちゃん、クソ食らえは少し下品だと思う」

「あらヤダ、わたしったら」

 白妙の顔が真っ赤になる。

「あははは」

 移動工房の中に笑いで満たされた。

「と言う事で、これがわたし達の意思ですクッロウエル様」

「俺を呼んだって言う事は、俺に何かしろって言う事だよな?」

「出来れば、忍びの里を抑えていただければ」

 いくらこの場にいる者達が口を閉ざしても、情報収集のプロである忍びの里をいつまでも誤魔化せない。

 クッロウエルは長年に渡り魔法道具研究所の所長をしていたので、忍びの里には顔が利くのだ。

「そう言う事か・・・タマーリンが一枚噛んでると知れば奴らも迂闊な真似はせんだろうさ。まっ、里長には俺から話を通しておこう」

「お願いします」

 モモエルはクッロウエルに頭を下げると、

「ミケラ様の所に戻りましょう」

 とクッロウエルを残してミケラ達の所に戻っていった。




(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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