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6話「お妃様の陰謀 111」

「予がか・・・心当たりが無いわけではないが・・・」

 さっき、タマンサの歌を聞いていて、魔王がミサケーノの軍門に下ったシーンで意味もなく涙が溢れた事を思い出す。

「それをどうして、ここで言うのじゃ?それが何か問題なのじゃ?」

「あります」

 きっぱり言いきるモモエル。

「わたしとタマーリンはミケラ様をもしかしたら聖女?と疑っていました、でも本当に聖女ミサケーノの生まれ変わりだと知られたら騒ぎになります」

「確かにな」

 さっきの宿泊客達の反応を見ればなんとなく想像は付く。

「でもわたしもタマーリンもミケラ様にそんな騒ぎに巻き込むのは反対です。ミケラ様には普通に元気よく生活して貰いたいんです」

「そしてマオ、あなたがやって来た。これも推測ですが、何らかの意思がミケラ様やサクラーノを守らせる為にあなたを此所に寄越した気がするんです」

 マオはモモエルが言いたい事が理解出来た。

「予もミケラやサクラーノと遊んでいる方が楽しいのじゃ。聖女なぞという騒ぎに巻き込まれたら遊ぶ時間が減ってしまうではないか」

「ありがとう、マオならきっと判ってくれると思っていました」

 モモエルはマオの手をがっしりと握る。

「予とミケラ達とはもう家族なのじゃ、予はミケラ達のお姉ちゃんなのじゃ。お姉ちゃんが妹を守るのは当然の事なのじゃ」

 見かけはマオの方が年上に見えるが、マオはこの前生まれたばかりで実際はミケラ達の方がお姉さんなのだ。

 そんな事は一切気にせず、姉風を吹かしまくるマオであった。




「姉ちゃんどうする、ミケラ様が聖女だって」

「どうするって、決まっているじゃない。この事は内緒よ、誰にも言っちゃダメだからね」

「でも、お妃様とかに言わなくていいの?」

「空気読まないくせに変な所で気が利くわね」

「へへへへ」

「言っちゃダメに決まっているでしょ、秘密なんて知る人が少なければ少ない方が良いんだから・・・出来る事なら、今すぐここでわたしと黒妙の記憶を消してしまいたいくらいよ」

 白妙の目を見て、姉が冗談で言っていない事を悟る。

「姉ちゃん、そこまで」

「そうよ、だって聖女なんて騒ぎになったらミケラ様がお家に帰る回数が減ってしまうじゃない。そんなの可愛そうだわ」

 ミケラは生まれると直ぐ、タマンサの家に預けられた。

 ミケラにとって、タマンサの家が本当の家で、タマンサの家族が自分の家族なのだ。

 幼いミケラがその家族と会えなくなってしまうのはとても辛い話、そう思うと白妙の心はひどく痛む。

「そうだよね、ミケラ様はタマンサさんと居ると本当に楽しそうだし」

「でしょ、だからこの話は絶対の絶対に内緒だからね」

「・・・そう言われるとちょっと自信が」

「言ったら許さないわよ、わたしが本気で怒ったら怖いの知ってるでしょ?」

「うん、うん・・・ぜ、絶対言わないか・・・ら」

 白妙に本気で睨まれてびびりまくる黒妙。


後書きです


ミケラとサクラーノ、そしてマオが一つの線に繋がりましたね。

あと数話でこの話の方は決着がつくのでお待ち下さい。


それにしても暑いですね。

我が家の冷蔵庫は中古で買ったのでそろそろ寿命ぽいけど、先立つものが・・・

と思っていたら、いつの間にかテレビが4Kモニターに変わりました。

超安物ですがさすが映像きれいです。

設定にかなり手こずりましたけど。

冷蔵庫は来年の春までになんとかしないと


ではまた来週(^_^)/~


                      (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))


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