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6話「お妃様の陰謀 105」

 キティーのバックアップを受け、疲労の心配も無くなったマオは円盤の操作に全力で集中する。

 相変わらずミケラはうかれまくり、あちこちに超高速で移動し続けていた。

「落ち着け、落ち着くのじゃミケラ」

 マオは心の中で叫びつつ、ミケラが頭を天井にぶつけないように、下に落ちてしまわないように円盤を操作する。

 飛び出してきたミケラが手にしたカゴを上に向ける。

 花びらが終わった合図だ。

「かごの中の花びらが終わった時もこれを押して下さいね」

 ボタンを渡された時にモモエルに言われた言葉を思い出し、マオはタイミングを見計らって、

「確か、中くらいの高さで・・・今じゃ」

 ボタンを押す。

 ミケラの服の背中の羽が膨らみ、大きく広がると下に向かって風を吹き出す。

 空中でミケラの身体が止まると、ミケラの身体を背中から押すように風が吹き出した。

 白い翼を広げたままミケラは空中を移動する。

「天使だ、天使がいるぞ」

「かわいい」

「凄くいいわ」

 まるで天使が空中を飛ぶように見え、宿泊客、特に女性客には大好評だった。

 ミケラはゆっくりとステージに舞い降りる。

 すかさず、タマンサが走り寄りミケラの手を取り宿泊客にアピールする。

「お嬢ちゃん良かったぞ」

「可愛かったわ」

「こっちに手を振って」

 観客から拍手喝采だったが、ミケラの正体を知る忍は複雑な気持ちで拍手していた。



「モモエル、あれで良かったのか?」

 クッロウエルが青い顔をしながらモモエルに話しかける。

「クッロウエル様、お疲れ様でした」

「俺はよ、昨日から魔法使いすぎて魔力切れで倒れそうだぞ。魔力の少ないドワーフに無理させんなよ」

 とその場にどかっと座り込んだ。

 最後にミケラの身体を押した風はクッロウエルの風魔法、ミケラの服の翼に条件付けで風魔法が発動するように魔力付加したのもクッロウエルだった。

 この場にいるメンバーで風魔法の使えるのはクッロウエルだけだったので、白羽の矢が刺さった訳なのだ。

 しかも条件付けで魔法が発動するように翼に付加するような高度な魔法を使えるのも。

「本当にお疲れ様でした」

 モモエルはクッロウエルにお茶の入った湯飲みを手渡す。

「これで誤魔化されんからな」

 お茶をすすりながらクッロウエルはモモエルを睨む。

「そ、それはわたしに出来ることでならお礼はします」

 クッロウエルにはここに来てからお世話になりっぱなしなので、モモエルとしてもお礼をするのはやぶさかではない。

「じゃ、あれを置いてけ」

「あれって?」

「あれだよ、裏庭に建てたあれ」

 移動工房のことだ。

「ダメです、あれは試作品でまだ改良が必要ですから持って帰らないと」

 研究所の貴重な財産であり、研究開発途中なのでいくらモモエルでもおいそれと上げますとは言えないのだった。

「ちっ、なら後で代わりを寄越せ」

 それだけ言うと、クッロウエルはふらつく足取りで奥へと歩いて行ってしまう。

「クッロウエル様・・・」

 クッロウエルをただ見送ることしか出来ないモモエルは、自分の立場の弱さを痛感したのだった。


後書きっす

 

ぼちぼちと外伝の方も書き進めています。

今、2週分くらいのストックあり。

ノートパソコンの調子が良ければ以前のように週の途中で投稿とかも考えるんですが、

いかんせん、ノートパソコンの調子が悪すぎて。

当分、日曜に三話投稿は続きます。


ではまた来週(^_^)/~


                     (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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