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6話「お妃様の陰謀 102」

 あわやという瞬間、二人の友人達が止めに入ったのだ。

 友人達に諭され、自分たちが間違っていた事に気が付き再び立ち上がる二人。

 そして試練に立ち向かうのは二人だけではなかった。

 友人達や理解者達が二人を庇い協力し、ついには共に大海原へと旅だったのだ。



 オリジナルはそこで終わりなのだが、ここからはタマンサが付け加えていったシーンだった。

 観客の反応を見ながら、何度も何度も作り替えてきた。

 これからがタマンサ、渾身の見せ場なのだ。

 二人と協力者達は、貴族の親が差し向けて追っ手に追い回され、追っ手から逃れる為に何度も進路を変え、その先で思わぬ試練にも遭遇しながらついにたどり着いたのだ。

「ついに~ついに~たどりついた~~~ウードワス~~~」

 最後の一節を歌い上げたタマンサの目からはボロボロと涙が溢れ出していた。

 この歌を歌うと、最後はいつもこうなる。

 聞いていた女性客達も感激で泣いていた。

 忍さえ、隣の女性と抱き合っていた程だ。

 タマンサが深々と頭を下げるのと同時に、宿泊客ばかりか裏方の身内からまで盛大な拍手な拍手が起こった。

「ありがとうございます、ありがとうございます」

 タマンサは客席に向かって何度も頭を下げる。



「お母さん凄い」

 ミケラがキラキラした目でタマンサを見つめる。

 ミケラの横には、力一杯走り切り満足そうな笑顔でぐったりしたサクラーノが横たわっていた。

 三回目を走った後そのまま倒れるようにぐったりしてしまったのだ。

「子供には良くないから」

 とキティーは疲労回復魔法は使わず、サクラーノの身体を毛布で包むだけにした。

「あうぅうむぅ」

 そのサクラーノが目を覚ます。

 ミケラのキラキラパワーがサクラーノを復活させたのだ。

「お母さん、お歌凄かったよ」

「うん、聞いてた」

「お母さん、お歌上手だったんだね」

「凄く上手だよね」

 ミケラとサクラーノは二人とも目をキラキラさせて、ステージでお客達に挨拶しているタマンサを見つめていた。



「ミケラ、次は予達の番だぞ」

 マオが下着より露出の多い黒い服を着てミケラに声を掛ける。

「ミケラ様、これを」

 モモエルが花びらの詰まったかごをミケラに持たせる。

「次の歌に入ります前に、お手伝いを呼びますね。ミケラ嬢にマオ嬢、いらっしゃい」

 二人は呼ばれてステージの袖から出てタマンサの両側に立つ。

「は~い、次はこの二人がお手伝いしてくれます」

 タマンサはニコニコ笑いながら、二人の肩に手を置く。

 ミケラとマオは事前に練習したように頭を下げる。

「可愛い」

「頑張れよ」

 宿泊客から声援が飛ぶ。

 二人は頭を上げるとタマンサから離れ、マオは翼を広げた。

 白い服に白い羽が生えたミケラ、黒い服に黒い翼のマオ。

 宿泊客からは天使と悪魔のように写っていた。

「では次の歌はこれです」

 タマンサは弾んだ声で歌い出す。

 ウードワスのお祭りによく使われる音楽に、タマンサが歌詞を付けた歌だった。

 最初は「なんの歌?」と戸惑っていた宿泊客も、お祭りに使われる曲だと気がつくと一緒に手拍子を始める。

 手拍子に合わせるようにタマンサは歌いながら踊り始めた。

 陽気でテンポの速い歌に合わせて、タマンサの踊りも躍動的だ。

 ステージの端から端まで使い、楽しそうに歌い踊るタマンサ。

 ミケラとマオもステージの後ろの方で踊っていたが、それは幼稚園のお遊戯程度の物だったが、それはそれでお客の受けが良かった。

 やがてタマンサが、ミケラとマオに合図を出す。

 マオの翼が身体から離れると三個ずつに分裂し、宿泊客の頭上を六個の黒い円盤が飛び交い始める。

「なんだ、なんだ」

「飛び回っているあれはなんだ?」

 突然の事に頭上を見上げる宿泊客達。


後書きです


何度も何度も書き直していたら、投稿するのがこんな時間になってしまいました。

もう一押し、あともう一押しと粘った結果が今回です。

喜んでいただけたでしょうか?


ついに三桁の大台に達してしまいましたが、終わりの方も見えてきたのでもうひと踏ん張りです。


ではまた来週(^_^)/~


                      (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))


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