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6話「お妃様の陰謀 93」

「スマン、力を貸してくれ」

 マオがようやく落ち着きを取り戻した頃に、クッロウエルが広間に現れた。

「排煙装置が出来上がったんですか?」

「おうよ」

 クッロウエルが自信満々に返事をする。

「皆さん、申し訳ありませんが移動工房から排煙装置を運搬のお手伝いをお願いします」

 モモエルがクッロウエルに代わって広間にいる皆に頭を下げてお願いをする。

「力仕事か?行くぞトランスロット」

「うん」

 チャトーラとトランスロットが直ぐに立ち上がった。

「力なら予も貸そう」

 日頃、倉庫で力仕事をしているマオも名乗りを上げる。

「わたし達もお手伝いします」

 白妙と黒妙も加わり、

「私も行くわ、母さんはミケラとサクラーノを見ていてよ」

「判ったわ」

 排煙装置は運びやすいように分解されていたので、手分けして広間まで運び込んだ後、クッロウエルの指示の元ステージで組み立てられた。

 出来上がったのは車輪の無い自転車二台と、その自転車から革のベルトで繋がったプロペラ二つ。

「なんなんだ、こりゃあ?」

 チャトーラが初めて見る装置に頭を捻る。

「待て待て、今使い方を教えるから・・・チャトーラとか言ったか、お前ここにまたがってこれをげ」

 チャトーラを名指しで指名する。

「ここに跨がって、これを回せば良いのか?」

 チャトーラが自転車に跨がってペダルを漕ぐと、ペダルの動きに合わせて革ベルトも動きプロペラが回転する。

 プロペラが回ると、ステージからステージの裏方へと風が起こる。

「動いた動いた・・・こんなもんでいいのか?」

 どれくらいで漕いでいいのか判らず、チャトーラはクッロウエルに聞く。

「ちょっと待っておれ」

 クッロウエルはステージで煙り玉を破裂させる。

 煙はゆっくりとプロペラの方へ動いていった。

「もう少し早い方が良いわね」

 煙の動きを見ていたタマンサが注文を付ける。

「あいよ」

 チャトーラが漕ぐスピードを上げる。

 プロペラの回転が上がり、煙の吸い込む速度も上がったが、

「まだ、まだ」

 タマンサにダメ出しされる。

「うぉぉぉぉぉぉ」

 ペダルを漕ぐ速度を上げる。

 プロペラがその分早く回り、吸い込む煙の量も増える。

「もっと早く!」

 だが、それでもタマンサは満足しなかった。

「だりゃぁぁぁぁぁ」

 更に漕ぐ速度を増す、チャトーラの顔から滝のように汗が噴き出していた。

「もっともっと早く」

 タマンサは容赦なくチャトーラに回転を上げるように指示を出したのだ。

「うやりゃりゃりゃぁぁぁぁ~~!」

 チャトーラは足がもげろとばかりに回転を上げに上げた。

「いい感じ、これなら充分使えるわよ」

 吸い込まれた煙がプロペラの後ろからジェット噴射のように吹き出し、タマンサが満足そうに頷く。

「いやいや、この速さで漕ぎ続けるのは流石の俺でも無理」

 チャトーラは自転車にしがみつくような形でへばっていた。

「やはり二台回さないとダメか、さて、もう一台は誰が回す?」

 クッロウエルがステージに集まっている面子の顔を見回す。

「わたしが・・・」

 足には自信のある黒妙が手を上げたが、

「あなた、ステージに出ているでしょ」

 と言われて

「あっ、そうか」

 と舌を出す。

「ステージに上がる面子はダメよ、ロレッタも用事があるし・・・トランスロット、あなたがやりなさい」

 タマンサがトランスロットを指名する。

「ぼ、ボクが?」

「おう、トランスロット。一緒にガンバろうや」

「う、うん」

 トランスロットは自信がなさそうに返事をする。

「取り敢えず跨がってみてくれ」

 トランスロットは空いている方の自転車に跨がる。

「足が届かない」

 自転車は大人サイズで、まだ子供のトランスロットには大きすぎた。

「モモエル手伝え、作り直すぞ」

「はい」

 それからクッロウエルとモモエルによって突貫作業がなされ、どうにかトランスロットが使えるまでに作り直した。

「これで準備万端、後はお客が来るのを待つだけね」

 舞台の準備は整った。


後書き、始まり始まり


英雄教室のソフィー、声は東山奈央じゃん。

視聴、継続決定。

出来る猫は・・・もいいね、作画めちゃいいのにのんびり系とか。

このギャップがたまらん、ユキチの声安元さんだし。

後は相変わらず異世界転生物ばかり見てます。


ではまた来週(^_^)/~


                      (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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