表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
239/532

6話「お妃様の陰謀 91」

 翌朝。

 タマンサとロレッタのご機嫌が何故か良かった。

「おはようございます」

 朝食の為、広間に向かう途中でモモエルが後ろから声を掛ける。

「おはようモモエル、今日も頑張ろう」

「モモエル様、おはようございます。今日も一日宜しくお願いしますね」

 やたらテンションが高い二人に、モモエルがちょっと引く。

「モモエル、おはようなのじゃ」

 そこへマオがやって来た。

「マオ、おはようございます」

 そこでマオはタマンサとロレッタがいるのに気がつき、

「よ、予は急用が出来たのじゃ、さらばじゃ」

 そそくさとタマンサ達を追い越して広間の方へと姿を消した。

「ちょっと待って下さいマオ」

 モモエルも慌ててマオの後を追う。

「うふふふふ」

 その二人の後ろ姿を嬉しそうに見送るタマンサとロレッタ。

「それじゃあいただきます」

 いただきますのの声の後に朝食が始まったた

 朝食の間もタマンサとロレッタの二人はニコニコしていて、少し不気味だ。

 マオはマオで、いつもはミケラの近くに座るのに、今朝は離れた場所に座っている。

 お陰でモモエルもミケラから遠くの場所に座る事になり、恨めしそうにマオを見たが、

「ここでマオを見捨てるわけにもいかないし」

 と諦めたように溜め息をつく。



「おいおい、夕べ、何かあったのか?」

 タマンサとロレッタがやたらニコニコしているので、変だと思いチャトーラがトランスロットにこっそり聞くが、

「ボク、判らないです」

 トランスロットはチャトーラと同じ部屋で寝ているので、夕べ、何かあっても知りようがない。

「なあなあ、おばさん達何かあったのか?」

 今度は白妙達に聞く。

「わたし達も部屋が違うので判りません」

「交代で部屋の見張りはしていたけど、部屋の中までは判んないよ」

 白妙と黒妙はミケラ護衛の為に交代で部屋の見張りをしていた。

 だが部屋の窓の外側で見張っていたので、廊下側にいたマオとモモエルの話は聞いていなかったのだ。

「お前らも大変だな」

「仕事ですから」

 と言いつつ、白妙は欠伸あくびを噛み殺す。

 そんな話をしているうちに、朝食は終わる。

 朝食が終わった後も、タマンサとロレッタはニコニコ笑いながらマオの方を見ていた。

 それが逆にマオを萎縮させてしまう。

「どうしたんですかマオ?自分で言いに行くんじゃなかったんですか?」

 隣でモモエルが囁くが、

「あ、明日じゃダメじゃろうか?明日なら絶対に言える気がするのじゃ」

 典型的なダメ人間の言い分けを言い始める始末である。


(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ