表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
234/529

6話「お妃様の陰謀 86」

「だから、わたし達でモモエルの手助けをしようと言うの」

 モモエルの手助けと言うならば、ロレッタも異論は無い。

 ミケラとサクラーノを抱えて大変な時に、助けに現れてくれたモモエルには本当に感謝している。

 魔法道具研究所の所長に任命されるまで、献身的に面倒を見てくれていたモモエルをロレッタは、口にこそしないが姉のように慕っていたのだ。

 そのモモエルの手助けが出来るというなら、喜んで手助けする。

「モモエル様の手助けになるというなら、いいわ」

 ロレッタは快諾した。

「で、わたしは何をすればいいの?」

「さっきも言ったでしょ、その機械の使い方を覚えて。それでわたしがステージに立っている間はわたしに代わってステージの様子を撮って欲しいの」

「ステージを?」

「そうよ、お妃様はステージの出し物を見るのが大好きだから。その機械を作らせたのも、ミケラやわたし達の出し物を見たいからよ」

 だったら直接見に来ればいいのに、お妃様の影移動の能力ならここまで瞬時に来ることが出来るのだから。

 とタマンサは思っていたがそれは口にしない。

「特にわたしの歌はお気に入りだから・・・わたしにまたステージに立てと言うことはわたしの歌も聞きたいと思うのよね」

 自慢げに胸を張るタマンサ。

「母さんがステージに立っている間と言うことは・・・」

「ステージに居ない間はわたしが撮るから」

 何をすればいいか、概ね飲み込めた。

「判ったわ、それではモモエル様お願いします」

 それからタマンサとロレッタの二人は、記録箱の使い方のレクチャーをモモエルから受けた。

 ロレッタの方が飲み込みが早く、使い方直ぐに覚えてモモエルと二人でタマンサに使い方を教えるまでになる。

「ほら、母さん。ここはこうするの」

「判ってる、判ってるから大丈夫」

「違うじゃない」

「どこが違うのよ」

「だからこうやってこうだってば」

「判ってるわよ、今やろうと思った所なの」

 母と娘のやりとりをモモエルは微笑ましく眺めていた。


(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ