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6話「お妃様の陰謀 81」

「本当?その話本当なのモモエル?」

「はい、王宮会議で決まったとタマーリンが言ってましたから」

 王宮会議は役職も重要だが、それ以上に重要なのが家柄だった。

 若くても国の最終兵器であり貴族の子女であるタマーリンは呼ばれるが、魔法道具研究所の所長でも平民出身のモモエルは滅多に呼ばれる事はない。

 もっとも、その方がありがたいとさえモモエルは思っていた。

 頭の硬い貴族なんかの相手をして、貴重なモノ造りの時間を奪われるなんてやなこったが本音なのだ。

 所長なんて責任の重い役を引き受けているのも、所長という立場を利用して自分の造りたいモノを優先して作れるから以外はない。

 モモエルは超が付く程の自己都合優先主義者であった。

 でも、そうでなければとっくに投げ出している。

 一部、サビエラに業務を丸投げしてはいるが。

「そうか、世の中そんな凄いモノが出来ていたのね。技術の進歩恐るべし」

 感心するタマンサの横でモモエルは苦笑いをしていた。

 魔法投影機は本当は軍事機密で一般に公開される事は無いはずの技術だったのだ。

 それをタマーリンに言いくるめられてモモエルが一般公開してしまったのが真実。

 本当なら怒られる程度では済まなかったはずなのだが、ミケラ絡みというのもあり、王様や大臣に散々嫌みを言われただけで済んだ上に、魔法投影機はお祭りに貸し出される事になった。

 モモエルの本来の望みは自分の開発したモノが、みんなの生活を豊かにする事だったので、その望み通りに使われると聞いて内心喜んだモノだ。

「一つ目ちゃんについては判ったわ、それでその箱は何に使うの?」

 聞かれて説明したくてうずうずしていたモモエルがニタアと笑う。

「あっ、説明はいいから使って見せて」

 説明しようと口を開きかけていたモモエルは、一瞬にして泣きそうになる。

「そんな、ちょっとだけでいいですから説明を・・・ちょっとだけでも」

 涙目で食い下がるモモエルだが、

「いいからいいから、早く使って見せて」

 それもあっさり却下される。

「判りました、判りましたから」

 タマンサに押し切られて渋々、箱の起動ボタンを押すモモエル。

 だが、渋々もそこまで。

「ミケラ様、こっちを向いて手を振って下さい」

 さっきの渋々がなんだったのと言いたくなる程明るい声でミケラにポーズを要望する。

「向いて・・・手を振るの?」

 ミケラがよく判らないという表情でタマンサとモモエルの顔を交互に見る。

「ミケラ、お母さんの方を向いて手を振ってね」

 状況を飲み込んだタマンサは、素早くモモエルの後ろに回ってミケラに手を振る。

「うん、お母さん」

 ミケラはタマンサの方を向いて笑顔で手を振った。

「ありがとうございます、ミケラ様」

 ミケラが自分の方を向いて笑ってくれただけで超幸せなモモエルは、ミケラにお礼を言うと、自信満々の顔で箱の裏側を上に向けた。

「皆さん、見て下さい。今のミケラ様です」

 モモエルがボタンを幾つか押すと、箱の裏側に手を振るミケラの姿が映し出されたのだ。

「どうですかこれ」

 モモエルが鼻高々に自慢した瞬間、ミケラの姿を映し出していた箱はタマンサによって奪われた。


後書きっす


業務連絡

Twitterに ミケラ様と愉快な仲間達 という名前でアカウントを取りました。

大したことは書いていないので、来ても時間の無駄になるかもですが。

タブレット、イマイチ操作が分からなくて・・・


今後の予定ですが、次回は外伝で決まりです。

次はその次のタイトルは

「トランスロット、疾走(はしる」

「クロ、故郷に帰る」


の予定です。

予定なので変わるかもしれませんが、主に動く人間に変更はないので、まっ、そういうことで。


ではまた来週(^_^)/~


                     (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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