表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
228/595

6話「お妃様の陰謀 80」

 サクラーノもミケラと同じパンツスタイルだったが、髪の毛と同じく全身ピンクで、くるっと回ると髪の毛が広がり、まるでピンクの妖精のように見えた。

 袖なしの衣装はミケラの衣装より動きやすそうであり、お尻を隠すようにスカートがよりサクラーノの愛らしさを引き出している。

 モモエルの鼻からまた血が一筋流れた。

「あわわわ」

 慌てて鼻を押さえるモモエル。

「もうしっかりしなさい」

 呆れながらタマンサがハンカチを渡す。

「済みません、済みません」

 ペコペコ頭を下げながらハンカチを受け取り、そのハンカチで鼻を押さえる。

「そうだ、あれを忘れてました」

 モモエルは衝立を出ると自分の鞄の中から小さなお弁当箱のようなモノを取りだして戻ってくる。

「なにそれ?」

 箱の真ん中に目のようなモノが取り付けられていて、箱の上にはボタンが幾つか付いていた。

「見ていて下さいね」

 モモエルはその箱を構えるとミケラの方に向けた。

「ミケラ様、こっち向いて下さい」

 言われてミケラはモモエルの方を向き、モモエルの持っている箱を興味深げに見る。

「あっ、なんか見た事有る」

 箱に取り付けられた目に見覚えがあり、ミケラはどこで見たか思い出そうと考えた。

「あっ、その箱についてるの一つ目ちゃんの目だ」

 そう、箱に付いている目は鬼ごっこのときに自分の周りを飛び回っていた一つ目ちゃんの目と同じ目だった。

「そうです、一つ目ちゃんの目です。流石、ミケラ様」

「えへへへ、だってわたしの周りをずっと飛び回っていたもん」

 モモエルの指示でミケラを撮りまくっていただけなのだが、それはミケラの知るよしも無かった。

「一つ目ちゃんて何?」

 聞き覚えのない名前にタマンサは頭を捻る。

 タマンサは鬼ごっこの時は闇に取り憑かれ、ベッドから起き上がれない状態だったので一つ目ちゃんも魔法投影機も知らないのだ。

「一つ目ちゃんて羽が付いていてパタパタ飛ぶの。それでね、それでね、一つ目ちゃんが見たモノはこ~~~んな大きな箱に写されるんだよ」

 ミケラが身振り手振りで説明する。

「わたしも見たよ、ミケラがこ~~~~~んなに大きな箱に写っているの」

 鬼ごっこの時、窮地に陥ったミケラをサクラーノが助けに現れた時、苦しそうなミケラの様子が大きな画面に映し出されていたのだ。。

「こ~~~~~んなに大きな箱に姿が映るの?ミケラ写して貰ったの?」

「うん」

「いいな、わたしも写して貰いたかったな」

 羨ましそうにタマンサはモモエルの方を見る。

「これからお祭りに使うそうなので、写して貰うチャンスは来ると思いますよ。タマンサさんは歌が上手ですから」

 その話を聞いてタマンサの顔がぱっと輝く。


(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ