6話「お妃様の陰謀 79」
タマンサは衝立を立てると、
「じゃあ向こうでお着替えしましょうね」
とミケラとサクラーノの手を引いて衝立の向こうに連れて行く。
「チャトーミ、手伝って」
「はーい」
呼ばれてチャトーミも衝立の向こう側へ。
タマンサは衝立の横から顔を出して、
「覗いちゃダメよ」
とモモエルに釘を刺した。
「の、覗きませんよ」
と言いつつ目はそわそわと落ち着きがなかった。
「あなた達、着替えが終わるまで見張っていて」
ダメねと言わんばかりにミミ達に見張りを依頼する。
「あいよ」
「任せるじゃん」
「四露死苦」
ミミ達が衝立の前にデ~ンと構えた。
モモエルは諦めて正座をして待ったが、そわそわして衝立の方をチラチラと見る。
「出来た。モモエル、こっちにいらっしゃい」
呼ばれて慌てて立ち上がったが、慣れない正座に脚が痺れていてもつれ、
「うぎゃ」
と変な声を出してズデ~~ンと倒れるモモエル。
「大丈夫モモエル?」
その音に衝立の向こうからタマンサが顔を出し、倒れているモモエルに声をかけた。
「だ、大丈夫です。ちょ、ちょっと足が」
「足が痺れたのか」
「痺れたじゃん」
「四露死苦」
チャンスとばかりに痺れているモモエルの足を突き回るミミ達。
「いや、いや、いや、やめてぇぇぇ!お願いだから許してぇぇぇ」
悶絶するモモエル。
「ほらあなた達、もうその辺にして上げなさい。でないと白妙を呼ぶわよ」
白妙と言われた瞬間にミミ達の動きが止まった。
「し、仕方ないな」
「きょ、今日はこれで勘弁してやるじゃん」
「よ、よろしくぅぅぅ」
白妙の方をちらっと見てから、慌てて衝立の向こう側へ逃げて行く。
「立てる?」
タマンサがモモエルに手を貸して立ち上がらせた。
「ありがとうございます」
「肩に掴まって・・・うん、じゃ行こうか」
タマンサの肩に掴まりながら、よたよたとモモエルは衝立の向こう側に向かう。
そこで待っていたのは、純白の衣装に身を包んだミケラと、ピンクの衣装に身を包んだサクラーノだった。
「か、かわぇぇぇぇぇ」
見た瞬間にモモエルは鼻血を吹き出す。
「ちょ、ちょっと、大丈夫モモエル?」
「は、はい・・・あまりにもミケラ様が可愛かったので・・・ちょ、ちょっと興奮しました」
鼻血を吹き出すのをちょっととは言わないぞモモエル。
「本当に可愛いですねミケラ様、それにサクラーノも」
ミケラは上から下まで純白のパンツスタイルで、背中から小さな白い羽が生えているのが見える。
天使をイメージしながら動きやすさも兼ね備え、清らかさと子供らしさをより引き出し天使のように見えた。
(Copyright2023-© 入沙界南兎)