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6話「お妃様の陰謀 75」

「さてと、紙風船の方はだいぶ進んだみたいね。それじゃわたしはここで抜けるわ、少しは歌の練習をしておかないと」

「母さん、本当に歌うつもりなの?」

 ロレッタが「いい年して止めなさいよ」と言いたげな顔でタマンサを見た。

「言ったでしょ、昔はわたしは人気があったんだから。でもかなり長い間歌ってこなかったし、少しは練習をして声が出るようにしないと」

 いくら素質があっても練習をしないと声は直ぐに出なくなる、タマンサはそれは痛い程判っていたのだ。

「練習するって言っても、もうそんなに時間は無いんでしょ?大丈夫なの?」

 歌の練習と言われてもよく判らないロレッタだったが、もうそんなに時間は無いというのは判っていた。

「大丈夫かどうか、歌ってみないと判らないじゃ無い。取り敢えず歌ってみるから聞いていて」

 タマンサはステージに立つ。

 何度か深呼吸をして、軽く発声練習をしてから歌い始めた。


 広間にキレイなよく通る歌声が響いた。

 王都でよく歌われる民謡だ。

 作業をしていた手が一斉に止まる、そのままみんなの視線がタマンサに釘付けになる。

 その視線を浴びながら、タマンサは歌い続ける。

 タマンサが歌い終わると、一斉に拍手が起こった。

「お母さん、お歌上手」

「お母さん、声が凄くキレイだった」

 ミケラとサクラーノがステージまで走って行って飛びつく。

「二人ともありがとう」

 タマンサは二人を抱きしめる。

「驚いた、母さんて本当に歌が上手なんだ」

 ロレッタも目を丸くして驚いていた。

「でも無いわよ、やっぱ長い間歌ってなかったから半分も実力出せてないかな。昔はもっと声が出たのよ」

「あれで?」

 更に驚くロレッタ。

「そうよ、お母さんね、このステージよりもっともっと大きなステージで歌った事もあるんだから」

「もっともっと大きなステージ・・・・・・」

 皆が思い浮かべたのは王都にある野外ステージだった。

 娯楽の少ない世界なので、旅芸人や旅の吟遊詩人などを集めて二年に一度、お祭りが開かれるのだ。

 その時に、旅芸人や吟遊詩人が野外ステージで出し物を演じるて見せてくれる。

「そうそう、王都の野外ステージでも二回くらい歌った事有るわ」

 笑うタマンサ。

 その言葉にロレッタ達はタマンサの実力の程を納得した。

 マイクは最近開発されたばかりでまだ普及していない。

 全て自分の声量が頼り、音が響くようには作られてはいるが野外ステージでも歌うとなるとかなりの声量を求められるのだ。

「タマンサさん、本当に凄いんだ」

 白妙達も尊敬とも憧れとも付かない目でタマンサを見つめていた。                             

後書きですよ


チャートラの意外な胸の内、皆さんはどう感じました?

作者としてはやっと吐き出させてあげることができたとホッとしています。

随分前から言わせるチャンスを狙っていたんですが、もうここしかチャンスはないなと思って。

トランスロットの意外な発言も伏線です。

次回は番外編の予定なので、次の次からお楽しみということで。


まともに後書きらしいことを書きました\(^o^)/


ではまた来週(^_^)/~


                     (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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