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6話「お妃様の陰謀 73」

 次の日、皆が広間に集まると、モモエルとチャトーラ達が作っていた大きさの違うモノ以外はほとんど黒と赤に塗られていた。

「どうよ」

 どや顔のチャトーラ。

「あたし、もう色塗りは無理、筆を見たくない」

 反対にヘロヘロのチャトーミ。

「わはははは、予に任せればこんな事を成すなぞ、造作も無い」

 いつもの如く、無駄に元気なマオ。

「ご苦労様、これだけやって貰えば後は適当に絵を描いて貰って構いませんよ」

 モモエルの言葉を聞いてほっとするチャトーミ。

「でもモモエル、こんなに赤いのや黒いのを作ってどうするの?」

 タマンサが疑問に思って聞く。

「うふふふ、では見ていて下さい」

 モモエルは鼻歌交じりにはさみで紙を切り始める。

 切った紙をノリで次々と黒い紙風船に張っていく。

「はい、出来ました」

 モモエルが手に持って見せる。

 黒い紙風船に幾つも星形に切った紙が貼り付けられていた。

「これをステージの壁一杯に張れば夜空のように見えませんか?」

 言われてみんなが想像する。

「確かに、見えなくも無いわね」

「そうね、背景が黒だと落ち着いた感じになるし、適度に白が有るから陰気な感じにもならないわね」

 タマンサも賛成のようだ。

「赤は黒だけでは寂しいので適当に彩りに使います」

「そっちはわたしに任せて」

 赤の配置はタマンサが名乗りを上げる。

「それではわたしが紙を切りますから、ミケラ様達は風船に紙を貼っていって下さい。ノリは三つ有りますから、仲良く使って下さいね」

「はーい」

 モモエルが紙を切ってミケラ達がその紙を次々と風船に貼っていく。

「でもモモエル、ワゴンの方はいいの?クッロウエルとか言ったわよねあなたの元上司。今でもワゴンに掛かりきりなんでしょ?」

「ご心配ありがとうございます、わたしの分は終わりましたから、後はクッロウエル様にお任せしてきました。クッロウエル様の担当の方は手間が掛かるので、それが終わらないと次に進めないんです」

「なるほど、だからこっちに来ているのね」

「はい、宜しくお願いします」

 女性陣が風船に色を塗ったり紙を貼ったりしている頃、チャトーラとトランスロットはせっせと大きい紙風船を作っていた。

「昨日より手つきが良くなったじゃないかトランスロット」

「そ、そうかな」

 誉められて照れるトランスロット。

「もっと覇気出せって。この前、虎次郎の旦那に殴りかかる時の勢いはどこやったよ」

 チャトーラに言われて困ったような顔をしてから、

「あれはミケラの為だから・・・お姉ちゃん一人に任せっきりじゃいけないし・・・本当はとっても怖いし、虎次郎さん手加減しないし」


                     (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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