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6話「お妃様の陰謀 62」

 気鋭を上げるチャトーラとトランスロット。

 そこへ白妙が手を上げて、

「あのぉ、出来れば練習用の小さい紙風船も作って欲しいんですが」

 その要望に、

「どのくらいの大きさのがいいですか?」

「そうですね、光玉と同じ大きさがいいです。練習するならその大きさの方が、感覚が覚えるので」

「判りました、それもわたしが作ります。小さすぎるのも技術が必要になるますからね。数は取り敢えず10個有れば足りますか?」

「はい、それだけあれば充分です」

「お任せ下さい」

 モモエルは早速作業を始めた。

 モモエルの背丈くらいありそうな紙をはさみで切って四分割していく。

「チャトーラ、これを使って下さい」

 瞬く間に四分割した紙を二十枚作り出すと、チャトーラに渡す。

 チャトーラ達の方が作業に時間が掛かるので先に準備したのだ。

「おうサンキューな」

 紙を渡されチャトーラはほくほくの顔でトランスロットの所へ戻る。

「トランスロット、これだけあればがっちり作れるぜ。頑張ろうな」

「うん」

「よっし、いい返事だ。やるぞぉ」

 二人は紙を織り出すが、

「大きくなると折りにくくなるな、トランスロット、俺が押さえるからお前が折れ。そうすればキレイに折れるだろ?どうせ作るならいいもん作ろうぜ」

「うん、判った」

 二人は役割分担して紙を折り始める。

 最初はうまくいかなくてもたついたが、数を重ねるうちに早く正確に折れるようになっていった。



 一方モモエルは、小さく切った紙を使い、小さな紙風船を幾つも作り出していた。

 紙の大きさに慣れないとは言え、チャトーラ達が紙風船を一つ折るうちに5個折ってしまうのは驚異的な速さだった。

「モモエル様は本当に手先起用なんですね」

 ロレッタが感心したようにモモエルの作業に見入っていた。

「小さい頃から折り紙で色々作ってましたから、わたしが折り紙で何か作ると亡くなった祖母が本当に喜んで誉めてくれたんですよ。それが嬉しくて」

 昔の話を照れ笑いしながら嬉しそうに語るモモエル。

「モモエル様、おばあちゃんいたんですか・・・いいな」

 ロレッタが羨ましそうに言う。

「ロレッタはお婆ちゃんとかいないのですか?」

「うちは父さんは天涯孤独だって言ってたし、母さんのところは・・・よく判んない」

「わたしの母ちゃんも父ちゃんも田舎でピンピンしてるわよ」

「え~~~っ」

 驚きのあまり声を上げるロレッタ。

「そんな話、初めて聞くんだけど」

「そりゃあ言ってないし」

「なんでよ」

「そ、それは・・・」

 口を濁すタマンサ。

「なんでよ、教えてよ」

 更に問い詰めるロレッタ。


(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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