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6話「お妃様の陰謀 61」

「とは言ったけど、キティーちゃんの他にも心配している人いるかも」

 そう思い、タマンサは型紙に合わせて布を切る作業を一旦止めた。

「それじゃ一発、かましましょうか」 

 すくっと立ち上がり、息をしっかり吸ってからよく通る声で、

「みんな手を止めてちょっと聞いて」

 あまりの良い声にドキッとして、みんなやっていた作業を止めてタマンサの方を向く。

「お客の来るまで後四日、不安に思っている人もいると思うけど、大丈夫よ。四日もあれば余裕で舞台の準備は出来るわ。それより出し物の方の準備が心配ね、どう出来そう?」

 タマンサは皆を見回す。

「予は大丈夫だが、ミケラとの連携をもう少し練習したい所じゃな」

 マオには珍しく、少し弱気な発言をした。

「お母さん、わたしは大丈夫だよ」

 マオの心配など関係ないとばかりに、ミケラは元気よく返事をする。

「わたしは実際の的を使って練習したいですね。ぶっつけ本番だと少し不安です」

 白妙は生真面目にそう答えた。

「わたしは全然平気、姉ちゃんは心配しすぎなんだよ」

 反対に黒妙は脳天気に笑う。

「もう少し緊張を持ちなさいよね」

 脳天気な妹についイライラして怒鳴る白妙。

「脳天気な妹持つと、苦労するのはどこも同じか」

 その様子を見ていてチャトーラがしみじみと漏らした。



「じゃあ、夕飯を食べ終わったら白妙とマオとミケラは舞台準備の手伝いはいいから練習して、でも寝る時間は守るのよ」

「はーい」

 マオとミケラ、そして白妙まで返事をした。

「姉ちゃん、ミケラ様と一緒に寝るの?」

 と黒妙に聞かれて、

「それもいいかも・・・」

 と一瞬思ったが、

「ノリよノリ、あそこで返事をしておけばみんなが和むかなと思って」

 少し顔を赤らめて、苦し言い訳をする。

「姉ちゃんがノリ?」

 黒妙にジト目で見られて、

「うるさい、そういうことにしておきなさい」

 逆ギレする白妙であった。



「練習組は取り敢えずこれで良しとして、後は風船ね」

 タマンサは今できている紙風船を見る。

「もう少し大きさに変化が欲しいかしら、大きいのや中くらいのも混ぜたいわね」

 同じ大きさの紙で作っているので出来上がる紙風船の大きさは同じになるのは仕方のないことなのだ。

「わたしが大きいのは作ります、製図用紙一枚で作るのは流石に技術が必要ですから」

「中くらいのは俺たちに任せてくれよ、小さいのを幾つも作ってだいぶ馴れたからな。なっ、トランスロット」

「うん、ボクももう少し大きいのは作ってみたい」

「話は決まりだ、中くらいのは俺たち男の子チームに任せな」

「お~っ」


                    (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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