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6話「お妃様の陰謀 54」

「しまった、ケットシーは大きい音が苦手だったな」

 クッロウエルは頭を叩きながらがははははと笑う。

「わ、笑い事じゃ有りませんよクッロウエル様」

「そうだぞ、俺は心臓が止まるかと思う程驚いたじゃねえか」

「お母さん怖かったよ」

「怖かったよ」

 ミケラとサクラーノはタマンサにしがみついて泣き出す始末。

「大丈夫よ、お母さんが付いてるから。お母さんが悪いおじちゃんにめっするからね」

 タマンサはミケラとサクラーノを悪しっかりと抱きしめると、目力で殺してしまいそうな表情でクッロウエルを睨む。

「何考えてるのよ、小さい子もいるんだからもう少し考えて作りなさいよ」

 返す言葉もなく黙り込むクッロウエル。

「ミケラ様を泣かしましたね、許しませんよ、許しませんよ」

 モモエルは血走った目でクッロウエルの胸ぐらを掴み身体を揺すったが、あっさりと撃退される。

「す、すまん」

 滅多に人に頭を下げないクッロウエルが頭を下げた、流石のクッロウエルも小さい子に泣かれてしまうと形無しのようだ。




「じゃあ、今度はもう少し音を小さくしてみるか」

「いえ、音無しで」

 速攻で全員からダメ出しが出る。

「音無しか?それじゃいまいち面白くない・・・ぞ」

 と言うクッロウエルをその場にいた全員が睨む。

「・・・音無しか・・・・・・光も弱めたから派手さに欠けるぞ・・・そうだ、煙はどうだ。派手にぱっと色付きの煙を出せば受けるぞ」

「煙ですか?ステージだけなら良いですけど、お客さんの方に回るのも良くないですよ」

 タマンサがいい顔をしなかった。

「煙ならなんとかなるかもしれません、移動工房に三目ちゃんの補修用のプロペラがひとつありますから。それを使って排煙装置を作りましょう」

「いや、あれはステージに乗せるには大物過ぎるだろ。構造は見て判ってるから俺がなんとかする。さっ、忙しくなったな」

 クッロウエルは喜々として工房に戻っていった。

「それじゃあ、わたしもマオちゃんの衣装のデザインと型紙を作らないと。おっとその前に」

 タマンサは白妙と黒妙を呼び寄せた。

「なんでしょう?」

 やって来た白妙と黒妙の身体をじろじろと見るタマンサ。

「な、なんだよ」

 驚いて姉の後ろに隠れる黒妙。

「ちょっとね・・・あなた達は動き回るから、そのままの服装の方が動きやすいわよね?」

「はい、動きやすさ優先で選んできましたので」

 白妙も黒妙も旅行に違和感の無いように私服で来てはいたが、ミケラの護衛という役目もあるので動きやすい服装であった。

「それをアレンジするくらいにしてみるか」

 タマンサは布をはさみで切ると、白妙に黄色の布、黒妙には赤い布を腰に結びつける。

「それで動いてみて」

 言われたとおり、二人はジャンプしたり空中回転したりしてみる。

「わたしは今回、あまり激しい動きはしないのでこれで丁度良いです」

「わたしはもう少し短い方が良いかな、空中回転した時に少し邪魔になるから」

「ふむ、ふむ」

 タマンサは二人の意見を聞いて、黒妙の方の布の端を足に掛かるくらいから腰の半分くらいまでに切る。

「こでどう?」

 黒妙は再び飛び跳ねてみる。

「うん、良い感じになった」

 黒妙は問題なしとばかりに笑った。


後書き


最近、住んでいるアパートの近くで子供が騒いだりボールを蹴りまくる音でノイローゼ気味。

子供の騒ぐ声って本当に響く。

それにボールを蹴る音は心に刺さるよ。

最近は注意すると注意したほうが叩かれるから怖くてできないのよね。

寝ていて些細な音がボールを蹴る音に聞こえて目がさめるので寝不足だし。

病院で不眠症の薬をもらって飲んで少しは良くなりましたが。

早く、このアパートを出ていけるように頑張らねば。


ではまた来週(^_^)/~


                    (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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