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6話「お妃様の陰謀 50」

「見事なモノですね」

 ステージに上がって見事に没スケッチに刺さっている針をモモエルはしげしげと見た。

「そうじゃろ、技は凄いのじゃ・・・凄いのじゃが、いかんせん地味なのがのう」

 ステージで小さい的に針を投げて見せても目立たない、いくら技が凄くてもステージ上ではまるではながないのだ。

「ステージは華が有ってなんぼのものじゃからな」

 きっぱりと言い切るマオ。

「ううぅ」

 地味と言い切られて流石にへこむ白妙。

「姉ちゃん大丈夫だって、わたしは判ってるから。姉ちゃんは凄いんだから、わたしが保証するから」

 黒妙に保証されてもあまり嬉しそうではない白妙。

「なんて言うかな・・・そうじゃ的に当たった時に光るとか爆発するとかすればいいと思うのじゃが。そんな道具は無いものかのう?」

 マオに聞かれてモモエルは思いつかず、クッロウエルの方を向いた。

「光玉とかどうじゃ」

「光玉?」

「光玉、いいですね。光玉というのは、矢の先等に付けて飛ばして周囲や遠くにいる味方に合図を送るために使う道具のことです」

 モモエルが説明をした。

 他にも照明弾のように空中で強く長く光を発するモノや、色違いを使い遠方に簡単な情報を送ったりすることに使われていた。

 先日、白妙が城に向かって投げたのも光玉の一種類だ。

「でも、光玉は野外用なので室内で使うには光が強すぎませんか?」

 モモエルの指摘に、

「確かにな、その調整もやろう」

 クッロウエルが請け負う。

「クッロウエル様がやってくださるなら安心です」

 クッロウエルは力も強く金属加工が得意だが、手先も器用で小さな道具の細かい調整なども得意としていた。

「ちょっくら工房で調整してくるわな」

 クッロウエルは広間を出て工房に向かう。

「その光玉というのはどれくらいの大きさなのじゃ?」

 聞かれてモモエルは指で輪っかを作る。

 大きさはピンポン球程度のようだ。

「う~む、ちょっと地味な大きさじゃのう。当たるまでに客の注意を引くとなるともっと大きい方が良いのう」

 ステージの近くのお客なら見えるだろうが、ステージから離れた席では見えない可能性が高い事を心配したのだ。

「そうですね・・・そうだ、ちょっと待っていて下さい」

 モモエルは鞄の中から紙を出すと、お膳の前に座って織り出した。

 器用に紙を折っていくモモエル。

「さてと、これで仕上げです」

 モモエルは折った紙に息を吹き込む。

 紙は膨らみ、ボールのようになったのだ。

「出来た、どうです?」

 モモエルが作ったのは折り紙の風船だった。

 てのひらの上に乗せてみんなに見せる。

「凄い、凄い、モモエル凄い」

 ミケラが目を輝かせてその風船を見つめる。

「本当にモモエルって器用よね」

 ロレッタも感心したように紙で折られた風船を見つめる。


(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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