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6話「お妃様の陰謀 44」

「ちょっと黒妙、あれで判ったの?」

「えっ姉ちゃん、あれで判らなかったの?」

 黒妙が意外そうな顔をした。

「あれで判る方が変なのよ」

 白妙はついムキになって怒る。

「わたし判ったもんね、ピューでピッでピューだよなチャトーミ」

「そうだよ、ピューでピッでピューでいいんだよ」

「ほら見ろ姉ちゃん、ちゃんと合ってるぜ」

 白妙は黒妙とチャトーミの会話を聞いていて頭が痛くなる。

「わりいな白妙、うちの妹がバカで」

 チャトーラが白妙の肩をポンポンと叩いた。

「兄ちゃんひどいよ、あたしバカじゃないもん」

「そうだぞ、バカって言う方がバカだって父ちゃんが言ってたぞ」

 チャトーミをかばう黒妙。

「チャトーミ、バカじゃないもん、チャトーラひどい」

 ミケラも庇う。

「そうだよ、自分の妹をバカとか言っちゃダメって何度も言っているでしょチャトーラ」

 タマンサまで加わって来て形勢不利になるチャトーラ。

「わる・・・かっ・・・よ」

 チャトーラが下を向いてぼそっと言う。

「えっ何?下を向いていったんじゃ聞こえないわよ。男の子ならもっと大きな声で言いなさい」

「悪かったよ・・・チャトーミの・・・妹のことをバカって言って悪かった」

 チャトーラがやけくそ気味に怒鳴る。

「うんうん、男の子はそれぐらい元気でないと。自分の悪い所を認められるは偉いことだぞチャトーラ」

 褒めるタマンサ。

 チャトーラはがっくりと肩を落として溜め息をつく。

「お疲れさん、チャトーラ」

 ロレッタが側に来てねぎらう。

「俺、おばさん苦手だ」

 小さい頃からチャトーラはタマンサにこうやってよく怒られいて、トラウマになっていたのだった。

 そのチャトーラの頭をタマンサの手ががっちりと掴む。

「だぁれぇがぁぁぁ、おばさんだって」

「ひ~~っ」

 チャトーラは小さく悲鳴を上げる。

「お・ね・え・さ・んでしょ」

「はいあ、お姉さんです、お姉さん」

 「お姉さん」を連発するチャトーラ。

「うん、よろしい」

 こうしてチャトーラのトラウマが又ひとつ増えたのであった。




「じゃあ、ちょっとやってみるかな」

「いきなり三人は無理だから、最初はピッピッがいいよ」

「そっか、最初はピッピッがいいのか。わかった、ありがとう」

 チャトーミと黒妙以外は二人が何を言っているのかさっぱり判らなかった、しかし二人の間では会話が成り立っているようだ。

 黒妙はステージに立つと、軽く準備体操をする。

「じゃあ、いくよ」

 黒妙の身体がぶれて左右に広がったが、ぶれて見えるだけでチャトーミのように完全に二人になって見えなかった。

「ぐっはぁ、もう無理」

 黒妙が力尽きて床にガクッと手を着く。


(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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