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6話「お妃様の陰謀 42」

「やめ、やめ」

 タマンサはそれ以上考えるのをやめて、暗い考えを追い払う。

「ロレッタ、トランスロットとチャトーラを呼んできて」

 今、この部屋にはトランスロット、チャトーラとモモエルがいなかった。

 モモエルは移動工房で何やら造るようだし、チャトーラは張り切って荷物やら閂を持ったために、

「づ、づかれだぁぁぁぁ」

 と早々に自分の部屋に戻り、

「じゃあボクも」

 とトランスロットもチャトーラの後に続いた。

 さほど広くも無い部屋に女性ばかりで、その中にぽつんといるのも居心地が悪かったのだろう。

 トランスロットもそんなお年頃になってきたのだ。

「とは言え、この部屋に全員はいるは厳しいか」

 三人以外、全員この部屋に来てしまっていたのでかなり狭かった。

「広間をお使い下さい、今はあなた方以外はお客様もいませんから」

 女将の申し出に、

「ありがとうございます、遠慮なく使わせていただきますわ」

 部屋から広間に移動することとなった。





「食った食った」

 チャトーラがだらしなく足を投げ出す。

「兄ちゃんモグモグだらしモグモグないよモグモグ」

「お前こそしゃべるか食べるかどっちかにしろ」

「だってこのお菓子美味しいんだもん」

 チャトーミはお菓子を両手に持って、ぱくつきながら文句を言う。

「ぷはぁ、このお茶美味しいわねロレッタ」

「はいはい、言われなくてもこのお茶は買って帰るわよ。近所のお土産にも丁度いいし」

「よっしゃあ」

 ロレッタの返事に心の中でVサインするタマンサ。

「それで余興の出し物はどうします、黒妙の手裏剣とタマンサさんの歌だけでは少し足りないと思います」

「姉ちゃんも手裏剣投げなよ、止まっている的ならこんなのにだって当てられるんだから」

 黒妙は食べていた果物の種を指に挟んで見せた。

「へぇ、それは凄いよ。あたし見てみたい」

 チャトーミが興味津々に白妙を見る。

「わたし、人前で技を見せるとかちょっと・・・」

 人前へ出るのが苦手というわけではないが、忍びの者として影で活動することを小さい頃から教育されてきたので、人前で華々しく技を見せるのに抵抗があったのだ。

「そうね、その種に当てられるって言うのは凄い技だと思うけど、舞台映えしないわよ」

 タマンサの言葉に、

「そ、そうですよね。種なんか舞台で見ても小さいし、見ている人たちだって訳がわからないですよね」

 我が意を得たりとばかりにまくし立てる白妙。

「だけど映えないなら映えるように工夫すればいいのよ。よろしくね白妙」

 あっさり掌返しされ、がっくりとうなだれる白妙。

 こうして白妙の初舞台が決まったのであった。


後書きタイム


寒いですね。

昨日までと同じ服装だと寒くて震えてしまいそうになったので慌てて着ました。

暑くなったり寒くなったりすると体調管理が大変です。

みなさんも体調管理して風邪なんて引かないようにしてくださいね。


ではまた来週(^_^)/~


                      (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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