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6話「お妃様の陰謀 35」

(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

「でさ、父ちゃんなんでここに居るの?」

 反省したのもつかの間、もう切り替える黒妙さん。

「もう・・・」

「黒妙らしくていいぞ」

 笑う白虎。

「もう、父さんが甘いから黒妙はいつまで経ってもこうなんだよ」

 白虎に怒る白妙。

「そう怒るな白妙、怒ってばかりいるとしわが出来るぞ」

 白虎の言葉にぎろっと睨み付ける白妙。

「ひえぇぇぇっ、落ち着け、落ち着くんだ白妙」

 慌ててなだめにかかる白虎。

 父親として威厳など微塵もない。

「おっ、なんだ、向こうで何か始まるようだぞ」

 言われて白妙が振り返ると、三目ちゃんの足が伸びて運んできた荷物を下ろし始めているのが見えた。

「戻るよ黒妙」

「うん」

 走り出した白妙に続こうとしたが、足を止めて、

「父ちゃんまだいるの?」

「悪いな、あれの帰りも護衛しなきゃならんからあれが飛び立つまでしかいられない」

「そうか、帰りも気をつけてね」

「おう、ありがと」

 黒妙の優しい言葉ににまっとする白虎、ただの親馬鹿であった。

「ほら、黒妙急いで」

 白妙に促されて、

「じゃ父ちゃん、ばいばい」

 手を振ると黒妙は白妙を追って皆の所に戻っていく。




 三目ちゃんは荷物を下ろすと、爪を折り畳んで収納した。

「ほう、良く出来ておるな」

 クッロウエルが感心したように下から三目ちゃんを見上げる。

「分解しなで下さいよ」

 モモエルが慌てて三目ちゃんを守ろうと立ち塞がる。

「やらんは!分解したらまずいくらい、俺でも判る」

 これを分解して組み立て直すとすればそれなりの設備がいる、その設備があるのはこの国では魔法具研究所くらいのモノだ。

 それが判るからこそ、クッロウエルは手を出したくてうずうずしている気持ちを抑え込めていた。

「本当ですか?」

 目一杯不審そうな目でモモエルはクッロウエルを見た。

「そんな目で俺を見るんじゃねえ」

 怒るクッロウエルだが、内心では分解したくて仕方ないのでいまいち迫力に欠けていた。

「それより、これはなんだ?」

 三目ちゃんが下ろした荷物を指さす。

「後で説明しますから、皆さん、先に梱包を解いて下さい」

 ちょうど白妙と黒妙も戻ってきたので、皆で力を合わせて梱包を解く。


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