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6話「お妃様の陰謀 20」

 広間に残った女子組は女将から役割を言い渡されていた。

 これから団体客が来ると言うことなのだが、従業員だけでは人数が足りないのでその補助をすることになると言う。

 そして、何故だか宴会芸をすることになっていた。

「宴会芸って一体なんですか、素人のわたし達に何をしろと」

 キティーは憮然としていたが、タマンサは何やら楽しそうに笑っている。

「タマンサさん、なんか楽しそうですけど自信あるんですか?」

「やだ、わたしなんてもうすぐ40のおばさんよ。自信なんてあるわけないじゃないの」

 笑いながらキティーの肩を叩く。

「キティーは何もしなくて良いですよ。大勢が来ると言うことはそれだけ病人やケガ人が出やすいですから、キティーは緊急事態に備えて後方待機です」

 モモエルがキティーに言い渡す。

「はい」

 キティーはほっと胸をなで下ろす。

 運動は苦手だし、手先も不器用なので宴会芸はもとより、仲居達の手助けもあまり自信がなかったからだ。

「仲居さん達の手助けと言っても、具体的にはどうします?」

 女将にはお客様への接触は仲居達がするので、配膳や掃除などを手伝って欲しいと言われていた。

「そうですね・・・」

 モモエルが真剣な顔で考え込む。

「わたしに考えがあります、少し待っていて下さい」

 モモエルは部屋を飛び出すと、部屋に戻り、自分の荷物の奥の方から小型の無線機程の大きさのモノを取り出した。




「モモエル様から緊急要請、三目ちゃん担当要員は至急所定の位置へ。三目ちゃん担当要員は至急は所定の位置へ。これは訓練ではない、繰り返す、これは訓練ではない」

 館内放送が響き、魔法具研究所内が慌ただしくなる。

「総員揃いました」

 三目ちゃん制御室に、担当要員が全員揃ったのだ。

「よしっ、魔法投影機始動」

 制御室に据えられた大型の魔法投影機に明かりが灯る。

「モモエル様から、野外工作室を大至急送るように要請が来たので、これから三目ちゃんで送り出す」




「モモエルちゃんから?」

「モモエルちゃん、休暇で旅に出てるんじゃないの?」

「物作り大好きっ子だから、我慢出来なくなったのかもね」

 古参の研究員が、まるで孫のことを話すようにひそひそと話す。



(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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