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6話「お妃様の陰謀 09」

 部屋の中は廊下と違う草で出来た敷物になっていた。

「敷物にしては変ね、床そのものがこれで出来てるというか・・・」

「はい、ラシュ草で作った床なんですよ。湿気を吸ってくれるので湿気が多くても快適に過ごせるの、こちらで皆これを床に敷いていますんぉよ」

 女将が説明する。

 武茶士が見たら「うぉぉぉ、畳じゃん」と泣いて喜んでいただろう。

「うちの里もラシュ草の床は使っているよ。ゴロゴロ出来てこれが良いんだ」

 黒妙が妙な所を自慢する。

 部屋には背の低いテーブルと、テーブルの周りに薄いクッションが置かれていた。

 テーブルの真ん中には木で出来た蓋付きの入れ物が置かれている。

座敷ざしくって言って、この上に座るんだよ」

 いの一番に黒妙が座敷の上に座る。

 その後を追うように、それぞれがそれぞれの部屋で適当に座る。

 この時点でミケラもサクラーノもタマンサの手を握ったままだ。

「もう、そろそろお母さんの手を離してくれない」

「いや」

「離さないもん」

 まだ離してくれそうもなかった。

「うふふふ、可愛いですね」

 女将は笑いながら、テーブルの真ん中に置かれた入れ物の蓋を開けると、テーブルの横に置かれたお盆から小皿を取り出して中身を乗せる。

「お嬢ちゃん達、お一ついかがです?これ、とても甘くて美味しいんですよ」

 ミケラとサクラーノ前に置く。

「甘いの?」

「美味しいの?」

 二人の目がキランと光り、タマンサの手を離す。

「甘い」

「美味しい」

 二人は幸せそうに食べる。

「うふふふ」

 女将は笑い、

「たくもう」

 食い物にあっさり釣られた妹二人を恥ずかしそうに見るロレッタ。

「ありがとう、助かったわ」

 女将にお礼を言うタマンサに「いえいえ」とてを振る女将。

「そうそう、長旅でお疲れでしょ。お食事の前にお風呂はいかがですか?うちの温泉はケットシーの方達にも評判が良いんですよ」

 女将のススメもあり、お妃様にも毛並みが艶々になるという話を聞かされていたので、早速温泉に向かう事になった。




「最初、お湯に浸かるのはちょっと嫌だったけど、温泉も意外と良いものね」

「身体が芯から温まって本当に良いですね」

「毛が濡れてベチョベチョだったけど、ヌクヌクする」

「ヌクヌクする」

 ミケラ達にも好評のようだ。

「温泉もですけど、わたしは乾かす装置に興味が出ました」

 拭いただけでは身体の毛は簡単には乾かないので目の粗い浴衣を着てゆったり座れる椅子しばらく座る事になったのだが、その椅子に温風が吹き付けられていた。

 その温風のおかげで思っていたより早く身体の毛が乾いたのだ。

「後で女将に見せて貰いたいです」

 見た事の無い機械に興味津々のモモエル。

「もうモモエル様、ここにはお休みで来たんですから仕事の話はしないで下さい。これは、研究所の所員の健康を預かる者としての命令です」

「ううっ、ちょっとだけ、本当に見るだけだから。ねっ、ねっ、いいでしょ?」

 上目遣いに甘えた声を出すモモエルに、キティーは目を逸らし、

「もうその手には乗りませんから、後でサビエラさんに怒られるのも嫌だし」

 とノーを突きつけたが、

「ねっ、ねっ、サビエラにも言わないし、迷惑かけないから。本当に見るだけ」

 しつこく食い下がるモモエル。

「ほ、本当に見るだけですよ。わたしも一緒に行きますからね」

 結局折れてしまうのだった。


後書きです


モンハンのサンブレイク、休みの間ハマってMRの風神と雷神を倒しました。

ボッチなのでヒノエ姉さまとミノトに手伝って頂きました。

そしてモンハンにハマりすぎて投稿する予定だった童話のほうがまるで進んでません。

ケットー物語だけは止めないように頑張りましたよ(褒めて)

それとせんとうシーンは作者判断で自粛しましたのであしからず。


それではまた来週


                    (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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