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6話「お妃様の陰謀 04」

 馬車は道を順調に進み続けた。

 お昼休憩の後、しばらくしてモモエルもようやく復活。

「ご心配おかけしました」

 馬車の中でモモエルはペコペコと皆に頭を下げて回った。

「モモエル、サビエラにあまり心配かけるなよ」

「そうじゃん、サビエラはいつもモモエルの事心配してるじゃん」

「四露死苦」

 妖精達にサビエラが心配しているという話を聞き、ますます恐縮する。

「そうですよ、わたしだって心配したんですから」

 キティーにも怒られる。

「これからわたしに回復して欲しい時は、サビエラさんにサインを貰ってからにして下さい。又こんな事になるのは、イヤですからね」

「サビエラにサイン・・・無理よ、絶対に無理よ」

 スケジュール管理をサビエラに丸投げしている立場上、スケジュールに関してはサビエラに頭の上がらないモモエルだった。

「モモエル、あなたは一つの事に熱中すると周りが見えなくなるのは良くない癖よ。みんな、あなたの事心配しているんだから」

 病み上がりのタマンサにまで心配され、流石に返す言葉も無くうなだれるモモエル。

「大丈夫モモエル?」

 ミケラが心配してモモエルの顔を下から覗き込む。

「はい、大丈夫です。わたしは元気です。ほら、この通り」

 ミケラに心配されたのが嬉しくて、立ち上がり踊り出すモモエル。

「こういう奴だよな」

 ミミが呆れた顔をし、馬車の中の一同は「うんうん」と頷いた後に爆笑した。



 ミケラ達の乗っている馬車は10人乗りの乗合馬車だ。

 乗合馬車と言っても、お妃様が用意しただけあって乗り心地は庶民が乗る乗合馬車より遙かに良い。

 サイズも一回り大きいので、中でゆったりと寛ぐ事が出来た。

 いつの間にか、ミケラ達はマオを真ん中にして川の字になって寝てしまっていた。

 タマンサの家にやっかいになるようになってから、マオはサクラーノのベッドで一緒に寝ていたが、今日はミケラと共に三人で気持ちよさそうに眠っている。

「さっきまで大騒ぎだったのに、寝ている顔は本当に天使だわ」

 タマンサは起こさないようにそっとミケラの頬を指でつつく。

 クスクス笑いながらタマンも足を伸ばす。

 他の女性陣も思い思いにゆったり寛いでいた。

 この旅で御者を除けば唯一の男性のトランスロットは、御者の横に座っている。

「トランスロット、面白いか?」

 御者が聞いてきた。

「うん、面白い」

 トランスロットは楽しそうに笑う。

 御者から馬に関するいろいろな話を聞いたのだ。

 馬が何を食べているとか、馬にもいろいろな種類がいて、足の速い馬、力の強い馬、長く走るのが得意な馬など、トランスロットが初めて聞く話ばかり。

 トランスロットは目をキラキラさせて御者の話を聞いていたのだった。

「そうか、面白いか」

 御者はガハハと笑う。


(Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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