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6話「お妃様の陰謀 03」

 今、その反動が今出ているのだ。

「回復魔法だって、完全に直るわけじゃないんですよ」

 回復魔法は魔法の力で治癒する魔法だが、魔法の力によって強制的に治癒しているのでその反動はある。

 通常は気がつかないうちに消えてしまうのだが、モモエルのように無茶な事を繰り返すと反動が積もりに積もって一気に吹き出すのだ。

「わたしも加担したわけだから、強くは言えませんけど。少しは反省して下さいよモモエル様」

 ヘロヘロのモモエルにキティーは愚痴を言う。

「モモエル、まだダメか?」

 ミミが様子を見に来た。

「うん、無理しすぎた反動が出たわ」

 休養のための旅行なのに、旅行のためにボロボロになるまで働くなんて本末転倒だとキティーは思う。

「サビエラが心配する訳じゃん」

 シルゥが溜め息をつく。

「四露死苦」

 リーも相づちを打った。

「これじゃ、サビエラの愚痴が増えるわけだよな」

 小妖精達とサビエラは仲が良かった。

 鬼ごっこの後にサビエラと知り合い、ミミ達が根城にしている噴水に頻繁にサビエラが遊びに来るようになったのだ。

 何故、ミミ達がミケラ達の旅行に一緒にいるのか、それは数日前、

「あんた達、お願いがあるんだけど」

 唐突に倉庫の女将さんに頼まれたからだ。

「タマンサは病み上がりだし、モモエル様は浮世離れしているし、そうなると頼りになるのはロレッタ一人。一人でミケラ様やサクラーノ、タマンサの面倒を見ろなんて無理だよ。そこであんた達、一緒に行ってロレッタを助けてやっちゃくれないかい」

 手下が世話になっている女将さんに頭を下げられては、ミミ達に断る事も出来なかったし、ミケラも一緒なら何か面白い事があると思ったので付いて来たのだ。

「一緒に行く」

 と待ち合わせ場所に押しかけたわけだが、ミケラと何故かタマンサがすごく喜んでくれたので、あっさりと受け入れられた。



 みんなが(くつろいでいる頃トランスロットは御者が馬の世話をするのを見ていた。

「坊主、馬は好きなのか?」

 御者は笑いながらトランスロットに話しかける。

「よくわかんない」

 街への馬の乗り入れは禁止されているので、特別に許可された馬が来た時に見るくらいで馬は滅多に見る事はなかった。

 なので、こんなに間近で見るのは生まれて初めてなのだ。

「坊主、馬に触ってみるか?」

 御者が手招きする。

 驚くトランスロット。

「ははは、そんなに驚く事無いだろう」

 御者は陽気に笑い、トランスロットに近寄ってくる。

「ほら来い、来い」

 御者はトランスロットを立ち上がらせると、馬の所に引っ張っていく。

「ほれ、ほれ、怖くないから」

 掴んだトランスロットの手を馬に触らせた。

 手に筋肉質のしっかりした感触が伝わってくる。

「硬い」

「ははは、硬いか?ガチガチの筋肉だからな。でもその筋肉のおかげで馬車を引っ張って歩けるんだ」

「そうなんだ」

 トランスロットは馬に興味が出てきた。

「馬の事もっと教えて」

「ああいいぞ、でももう出発しないとな。俺の隣に座るか?」

 隣とは御者台の隣の事だ。

「うん」

 トランスロットは嬉しそうに返事をした。

「そうか、その前にと」

 御者はタマンサの方を向くと、

「奥さん、もう出発するんで準備お願いします」

「は~い」

 タマンサ達は荷物をまとめて馬車に乗り込む。

 その間に御者は馬を馬車に繫ぐ。

 トランスロットは少しだけその手伝いをした。


後書きです

新ストーリースタートです。

今度はミケラたちが旅行に出る話です。

タイトル見れば分かる通り、お妃様が仕掛けてきます。

果たしてミケラたちはそれをどう躱していくか?

登場人物が多いので、油断するとあらぬ方向に暴走するかもしれませんがそれもなろうの楽しみの一つですよね


ではまた来週(^^)/~~~


(Copyright2022-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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