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五話「ミケラの日 51」

「ずるい、そんな事言われたらミケラを返せって言いづらくなるじゃない」

「うふふふ、それが狙いよ」

「う゛~~~」

 タマンサはお妃様の胸をぽかぽか殴り始める。

「痛い、痛い、やめなさいタマンサ、あはははは」

 胸を叩かれながら嬉しそうに笑うお妃様。

 その姿は仲の良い母と娘のじゃれ合いのように見えた。

「じゃれ合いはもう良いか?」

 マオが二人に聞く。

「ミケラやサクラーノが無理にタマンサを治す必要は無くなるのじゃ、なぜなら予がこれからタマンサを蝕む元凶を吸い取ってしまうのじゃから」

 マオは胸を張る。

「さっきも予は魔王と言ったな、予の力を持ってすればタマンサの身体から闇を抜き出す事は容易たやすい事じゃからな」

 マオはビシッとタマンサを指さし、

「闇を取り除く事を望むか」

 タマンサは考え込む。

「でも、病気治っちゃったらミケラが遊びに来てくれなくなるんじゃ・・・」

 心配そうにお妃様の顔を見上げる。

「そんな心配をしなくても大丈夫よ。ここに来ちゃダメなんて言ったらますますミケラに嫌われてしまうわ、ただでさえお母さんを取ったって恨まれてるのに」

 まだ小さいミケラには大人の事情など理解できない、ミケラにとってお母さんはタマンサ一人だけなのだ。

「ホント?ホントにミケラはこれからも来ていいのね?」

 お妃様も笑いながら頷く。

「でもあの子も本当に律儀な子よね、ここに来るのにいちいちわたしの許可取ってくるんだから。毎日城を抜け出しているんだから、ついでにここに来てしまえばいいのに」

 お妃様は少しあきれた顔をした。

「ああ・・・それわたしの所為かも、ミケラをお城に送り出す時に「いいことミケラ、ここに帰って来たくなったらちゃんとお願いしてきなさい。勝手に帰って来ちゃダメよ」と言ったから・・・・・・」

 お母さんの言いつけを守って、帰ってきたいのを我慢していたのだ。

「くっ・・・・・・」

 お妃様は涙ぐむ。

「もう少し、ここに来る回数を増やそうかしらね・・・でも、わたしの方からあの子に少し言い出しづらいと言うか・・・」

 お妃様には珍しく口ごもる。

「それ、わたしからミケラに言いますよ。帰ってくる日とかもわたしが決めていいですか?」

 ロレッタが手を上げる。

「そうね、ロレッタに任せるのはいいかも。我が儘な所もあるけど、お姉ちゃんの言う事は聞くものね」

 タマンサもそれに乗っかってくる。

「わたしはミケラのためにお城に通ってるわけだし。お姉ちゃんがもう一肌脱いであげちゃおう」

 王室の方から生活費は支給されていて、生活に困っているわけではないのでロレッタがお城に働きに行く必要は無い。

 ロレッタがお城に通っているのは、いきなり小さいミケラをお城に連れ出しても寂しがるだろうからと、ロレッタから言い出した事だった。

 流石に引き剥がした手前、タマンサと言うわけにもいかないので王様もロレッタならと許可してくれたのだ。


後書きです

「ミケラの日」は来週終わる予定です。

次回の話のプロット作りやなろうで童話の募集をしているのに気がついて

童話も書き始めました。

忙しいはずなのに、サンブレイクでMR5の緊急出して鎧一式作り直して、溜まったアニメも消化して、部屋の掃除までしているという。

忙しいはずなのに、忙しくなると他のことをしたくなる病ですわσ(゜∀゜ )オレ


また来週

                       (Copyright2022-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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