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五話「ミケラの日 36」

 ロレッタ達が食堂に戻るとタマーリンとモモエルが術式バトルを繰り広げていた。

 その横でキティーが身を持て余している。

「どうしたの?えっと・・・」

「キティーです・・・タマーリン様とモモエル様があまりにも凄すぎて」

 キティーがぼそっと言う。

「ああ・・・あっちでお茶にしない?」

 ロレッタはキティーをお茶に誘う。

「・・・・・・は、はい」

 しばし迷ったが、キティーはロレッタの申し出を受けいれた。

「白妙も黒妙も飲むよね?」

「はい、頂きます」

「遠慮なく飲む」

 キティー、白妙、黒妙がそれぞれ空いている席に着く。

「はいどうぞ」

 ロレッタが各々に小さなカップを渡し、テーブルにつまみのお菓子を置く。

 キティーは一口啜る。

 お茶の芳醇な香りと苦みが口の中に広がった。

「美味しい」

 出されたお茶はケットシー王国内ではよく飲まれている、緑茶とウーロン茶の中間のようなお茶だ。

 キティーも田舎にいた時は飲んでいたが、今まで飲んだお茶のどれよりも美味しかった。

「美味しいでしょ」

 ロレッタはニコニコ笑う。

「本当ですね、こんな良いお茶はなかなか飲めないですよ」

 白妙もお茶は好きなのでよく飲むが、これほどのお茶は飲んだ記憶がない。

「王妃様が時々送って寄越すのよ。でも、うちはお茶を飲むのは母さんとわたしくらいで、サクラーノもトランスロットもあまり飲まないから余っちゃうのよね」

 ロレッタは溜め息をつく。

「ああなる程」

 白妙は納得した。

 宮廷用の特別なお茶なのだ。

「でも、美味しいお茶飲むと心が落ち着くでしょ?」

「はい、確かに」

 言われてみてキティーはお茶を飲んでほっとした自分に気がつく。

「タマーリン様もモモエル様も本当に優秀だから、側にいて自分と比べるなと言うのも無理だと思うけどさ、モモエル様が連れて歩いているという事は何か見所があるからだと思うの。キティーは何が得意なの?」

 ロレッタに聞かれ、

「回復魔法です。中級は既にマスターしているので上級を習いながら魔法道具研究所に通ってます」

 キティーは嬉しそうに答えた。

 お茶に誘われて少し話をしただけなのに、心が凄く軽くなった気がしたからだ。

「凄いわね」

「うん凄い」

 白妙と黒妙は驚きの声を上げたが、ロレッタは意味が判らず、

「中級の回復魔法?ごめん、それ凄いの?」

 ロレッタは魔法関連の知識は皆無なので、キティーの年齢で中級回復魔法をマスターしている事の凄さが理解できなかったのだ。

「そうですね、才能のある子なら12才くらいで初級の回復魔法を卒業して中級を習い始めますよ。中級になると覚える事も多いですし、使用する魔法量も増えるのでコントロールが大変いなるんです。ここで挫折する子も多いですね」

「へぇ・・・あれ12才?あなた何才なの?」

 ロレッタはキティーを上から下まで見てから年齢を尋ねた。

「こう見えても15才です・・・ち、ちょっと成長が遅いだけで・・・」

 年齢の話をしたくないキティーがいやいや自分の年齢を言う。


「おごめん」

 入り口の外から、野太くよく通る声が響いた。

後書きです

最近、Disney+でデアデビルにハマってました。

週末は小説書いてデアデビル見て寝るということを繰り返してましたよ。

変に出歩いてコロナに感染するということはなくなったので良かった?

無事、シーズン3まで見終わりましたがシーズン4やる気満々の終わり方。

シーズン4はネトフリは作らんと言っているからDisney+オンリーになるのかな?


                      (Copyright2022-© 入沙界 南兎)

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