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五話「ミケラの日 35」

 タマーリンとモモエルが魔術式でバトルを始めた頃、サクラーノが椅子に座ったままうとうとし始めた。

「もうお昼寝モードか」

 サクラーノは元気いっぱい動き回るのだが、燃費はすこぶる悪い。

 遊びではしゃぎ回ったの分だけ体力を消耗してしまい、お昼を食べてそのままオネムタイムに突入したのだった。

「ミケラ、マオ。サクラーノが寝てしまう前にベッドに連れて行って。わたしは食事の後片付けがあるからお願いね」

「うん」

「承知したのじゃ」

 ミケラとマオが椅子から立ち上がってサクラーノの横に回る。

「わたし達がやりますよ」

 白妙と黒妙が手を出そうとする。

「よいよい、サクラーノを運ぶくらいなら予達だけで十分じゃ。それより、ロレッタの方を手伝った方が良いと思うぞ」

 自分たちが食事した食器類がテーブルに残っている。

 これをロレッタ一人に任せるのも気が引けると言うモノだ。

「判った、わたし達はロレッタを手伝いましょう」

 白妙が黒妙を連れてロレッタの手伝いに回った。

「サクラーノ、ベッドに行こう」

 ミケラがサクラーノの身体を揺すったが、

「はにゃぁ」

 サクラーノは顔を一旦テーブルから上げたが、そのまままたオネムモードにまた戻ってしまう。

「ダメじゃな」

「うん、ダメだね」

「力業で行くしかなかろう」

「力業?」

「予がこちら側を持つからミケラはそちら側を持て」

「うん」

 マオが右側からサクラーノの身体を持ち上げると、ミケラは左側からサクラーノの身体を持ち上げる。

「お、重いよ」

「が、頑張るのじゃ」

 普段、マオは倉庫で屈強な男達より重いモノを運んでいるので、サクラーノ一人くらい運ぶのはなんでもないのだが、子供達との遊びで体力をかなり消耗してしまって、今はサクラーノ一人運ぶのもかなりしんどくなっていた。

 ミケラとマオは「ふうふう」言いながら、両側からサクラーノの身体を支えてベッドに向かった。



「やっと終わった」

 ロレッタは食器と調理に使った器具の片付けが終わり、ほっと一息つく。

「白妙、黒妙、手伝ってくれてありがとうね」

「いえいえ、こちらこそ昼食をごちそうして頂いて感謝しています」

「うんうん、ロレッタのご飯は美味しいからこれくらいなんともないよ」

 白妙も黒妙も影ながらミケラを護衛するのが任務である。

 それがこうやって一緒に食事をするなど論外なのだが、成り行きでこうなった以上は受け入れると言う事で姉妹は決着を付けていた。

「それにしてもあの子達遅いわね」

 ミケラとマオがサクラーノをベッドに連れて行ってまだ戻っていなかった。

「何しているのかしら?」

 気になってサクラーノの部屋を覗いてみた。

 サクラーノの身体を支えてベッドまで連れて来たミケラとマオが力尽きて、サクラーノと一緒に寝ていた。

「うふふふ、可愛い」

「て、天使が寝てます」

「姉ちゃん、ヨダレ、ヨダレが出てるよ」

 慌てて白妙の口を拭く黒妙。

「風邪ひかないでね」

 ロレッタは三人に毛布を掛ける。


(Copyright2022-© 入沙界 南兎)

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