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2話「城下の黒い影 その2」

「それでさ、手下に面白い話を聞いたんだよ」

 妖精達は街の噴水に住み着くと、街のチンピラ達を集めて手下にしてしまったのだ。

「面白い話し、聞きたい聞きたい」

 ミケラの目がわくわくキラキラと輝きを増す。

「そう言うと思ったじゃん」

「四露死苦^^」

 妖精達はそれぞれ目隠しして花瓶の乗ったテーブルの上に座っていた。

「これさえ有れば、姫さんの目がいくらキラキラしても怖くないぜ」

「流石じゃん」

「四露死苦w」

 ミケラはテーブルの側の床にぺたんと座ってテーブルの上を見上げている。

「面白い話って何?何?」

 ミケラは速く話の続きが聞きたくてうずうずしていた。

「その手下が昨日の夜中、街の中を歩いていたら巨大な影が飛んでいくのを見たって言うんだ。それもこの街がすっぽり入るくらいでかかたって言うんだから凄いよな」

 ミミが大げさに手を広げる。

 この話をさっきロレッタにもして、ロレッタは話を聞き終わるなり廊下を走って消えてしまった。

 今頃は、城のあちこちでこの話をして回っているのだろう。

「凄い、凄い」

 ミケラは無邪気に拍手する。

「どうよ、今夜あたい達と一緒に見に行かないかい?」

「行く、行く」

 ミケラは立ち上がってぴょんぴょん跳びはねたが、突然止まってしまう。

「ダメ、お母様に怒られる」

 父親である王様や兄の王子達ならば、ミケラに超甘いので虎次郎と一緒なら許してくれるだろう。

 虎次郎は城の兵士に稽古もつけているので、王や王子達に信頼されているのだ。

 だが妃様はミケラに厳しかった、先日も城を抜け出して泉まで遊びに行ったことが妃様の耳に入り怒られたばかりだ。

「そうか残念、姫さんと一緒なら絶対に面白くなると思ってたのにさ」

「残念じゃん」

「四露死苦;;」

 妖精達は肩を落としトボトボと帰って行く。

 見送る虎次郎も少し肩を落とし寂しそうだった。


 数日後、

「姫さ~~ん、面白い話し持ってきたぞ」

 妖精達が意気揚々とミケラの元へやって来た。

「面白い話!」

 ミケラが目をキラキラさせて妖精達の話しに飛びついてくる。

「夜はダメだって言うから、昼間でも大丈夫な話じゃん」

「わ~い、昼間なら大丈夫だよ」

 ミケラが喜び勇んで椅子から飛び出し、妖精達は目隠ししてテーブルに座る。

「良く聞けよ、今度は黒づくめの怪しい奴が街の中でこそこそしてるって話だ」

「そいつは昼間しか現れないって話じゃん、それなら姫さんも大丈夫じゃん」

「四露死苦^^」

「虎次郎、行こう」

 即断で虎次郎を呼び、名前を呼ばれた瞬間に虎次郎はミケラの横に立っていた。

「はや!」

「速すぎじゃん」

「四露死苦!」

 妖精達があまりの速さに驚いたが、虎次郎はそこにいるが当たり前という表情で立っていた。

「それじゃあ、出発」

「おー」


著作権表記追加                       (Copyright2021-© 入沙界 南兎)


2023/09/30 一部修正



                        (Copyright2023-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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