表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
119/589

五話「ミケラの日 25」

「タマーリン様、モモエル様。お二方の事は決して忘れません」

 キティーはタマーリン達が飛ばされて消えた方角に手を組み静かに目を閉じて祈りを捧げた。

「ひどい目に合いましたわ」

「ちょっと油断してましたわね」

 祈りを捧げているキティーの両側からタマーリンとモモエルの声が聞こえ、ズコッとこけるキティー。

「い、いま、お二方はサクラーノに飛ばされてお星様になって消えましたよね?」

 キティーは二人の消えて方向を指さして聞く。

「気にしてはいけませんわ」

「そうよキティー、世の中には気にしては負けというものがあるのよ」

「で、でも」

 食い下がろうとするキティー。

「あるのよ」

「はい」

 モモエルの圧に押され頷いてしまうキティー。

「これでキティーも大人の階段を一歩上がりましたね。うふふふ」

「立派に大人の階段を上がってますわね、ほほほほ」

 笑い合うモモエルとタマーリン。

「そんな階段、上がりたくない」

 心の底からそう思うキティーだった。



「さて、予達の鬼勝ちが決まったから、次の鬼決めるぞ。みんな位置に付けよ」

 ペルタのかけ声で子供達は柱の周りに集まる。

「それじゃいくぞ、1,2,3、4.5ストップ」

 ペルタが大声で数え始めると同時にペルタを含めた子供達は一斉に走り始め、ストップの合図と共に止まる。

 この時もちゃんとチーム単位で移動しているので、ペルエと手を繫いだペルタはあまり遠くまで行けなかった。

「お兄ちゃんごめん、あたしが足が遅いから」

 泣きそうな顔でペルエはペルタの顔を見上げた。

「いつも言ってるだろ、そんなの気にするなって」

 ペルタは笑いながらペルエの頭を撫でる。

「お兄ちゃん」

 ペルエは嬉しそうに頭を撫でられるままにする。

「兄弟仲良き事、良きかな良きかな」

 黒妙がしたり顔で頷く。

「本当にペルエもペルタも仲が良くていいわね」

 白妙もペルタ兄妹を見て微笑む。

 白妙チームはペルタ達より前の位置で止まっていた。

 その気になれば空き地の端まで逃げる事も出来たが、子供の遊びにそこまでするのは大人げないし、ペルエを抱えたペルタが遠くまで逃げられないのは判っていたので、次は自分たちが鬼になるつもりでこの位置で止まったのだ。



「みんな位置は決まったね」

「そうだね」

 サクラーノとミケラが周りを見て子供達の位置を確かめる。

「これからどうするのじゃ?」

「わたしたちが15歩歩いてタッチしたチームが次の鬼だよ」

 ミケラが説明した。

 ミケラ達がチーム単位で移動して、15歩歩いてタッチしたチームが次の鬼となると言う事だ。


(Copyright2022-© 入沙界 南兎)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ