表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/592

五話「ミケラの日 18」

「と言うことで、マオ。このことはミケラ様や他の人には言っていないでしょうね」

「ああ、誰にも申しておらぬ。予の胸の内に仕舞ってあるぞ」

 ただ言いそびれてネタに逃げただけなのだが。

「この事はミケラ様やサクラーノには言わないで下さいね、聞いたらミケラ様達のことですからなんとかしてタマンサを直そうとしますから」

「それはダメです!」

 キティーが叫んだ。

「回復魔法の初心者が無理して相手を直そうとすると、力をうまく引き出せなくなってしまうことあるんです。初心者が最初に突き当たる壁ですわ。だから初心者であればある程、力の解放のコントロールを正確にできるようにしないとせっかくの才能が無駄になってしまいます」

 それで悩み苦しむ回復魔法師の初心者をキティーは何人も見てきたのだ。

「その通りです、よく判ってますねキティー」

 タマーリンが珍しく拍手をした。

「きちんとした師の元できちんと学ばなければ、せっかくの才能がダメになってしまいますわ。とは言ってもミケラ様一人では力の発動条件がかなり変な上にかなり弱いですからね。発動条件をほぼ無条件にするサクラーノは、サクラーノで融通が利かなくて何かの弾みで突然、暴走しますから。師になるような方の当てもないですわ」

 サクラーノに引きずられたばかりのキティーは、師のなり手なんて絶対にないと心の底から思った。

 ミケラとサクラーノ二人一組でようやくまともに使える状態になるのに、サクラーノが暴走する危険があるので教え手が見つからないと言うことだ。

「そう、だから暖かくミケラ様の成長を見守っていく、それしか有りませんわよねモモエル?」

「そうですよねタマーリン、ミケラ様はそのままお優しく育って頂くのが一番ですよね」

 二人は顔を見合わせてニコニコと笑う。

 この時にキティーは気がつくべきだったのだ、この二人の頭のネジが一本緩んでいることを。

 しかし、キティーは二人を敬愛すあまりに目が曇っていた。

「ただおぬし達が、ミケラを愛でたいだけじゃろ」

 マオの一言に二人は固まる。

「な、なにをおっしゃるのかしら、わ、わたくしがこ、事もあろうに、み、ミケラ様を愛でたい・・・たいだけなんて。そ、そ、そんな大それた事、考えるわけ有りませんでしょ」

 と言いつつ、タマーリンはミケラの方を見てニコッと笑う。

「そ、そうですわ、わ、わた、わたしだって、ミケラ様をめ、め、愛でたいだけなんて、考えたこと・・・考えたこと・・・考えたことありませんわ」

 モモエルもしかり。

 その顔を見てようやくキティーは気がついた。

 この二人はミケラが絡むと、とことんポンコツになることを理解した。


先週に続き、投稿が遅くなってスミマセン。

先週と違って書く方は金曜日には終わっていたのですが、読み直してみていまいちぱっとしないなということで、ついさっきまで書き直していました。

最初の頃よりは読みやすくなったかな?

自己満足ですけどね、やるからには最後まであがきたいかなと。

そうそう、寄り道は終わりで来週から子どもたちにバトンを渡します。


                      (Copyright2022-© 入沙界 南兎)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ